[映画の感想]『ブラック・スキャンダル』ジョニー・デップのハゲ、怖い

[映画の感想]実在した犯罪者ジェームズ・”ホワイティ”・バルジャーをジョニー・デップがハゲになって演じている『ブラック・スキャンダル』一足早く試写会で観てきました!アメリカ社会に根付いている闇をジリジリと描いた本作は身体によくなかったです。

 

ブラック・スキャンダル

(C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., CCP BLACK MASS FILM HOLDINGS, LLC, RATPAC ENTERTAINMENT, LLC AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

ブラック・スキャンダル

Black Mass/監督:スコット・クーパー/2015年/アメリカ/123分

 

劇場公開日:2016年01月30日劇場公開(R15+) 公式サイト

 

映画川柳

 

追い詰める 南ボストン ハゲ怖い

 

ざっくり、あらすじ

 

もう誰も止められない

 

1970年代の南ボストンを舞台に、マフィアのボスであるジェームズ・”ホワイティ”・バルジャー(ジョニー・デップ)と彼と裏取引をするFBIのジョン・コノリー(ジョエル・エドガートン)の関係性を重く、息苦しく描いている作品。

 

感想、思ったこと

予告編を見た時の印象とは全く異なった雰囲気が映画が始まった瞬間からあって「あ、これつまんないヤツかも」と思った数分後、完全に心はジョニー・デップのハゲに奪われていました。

■ジョニー・デップがマジでやばい

この映画でジョニー・デップが演じているジェームズ・”ホワイティ”・バルジャーはFBIに指名手配され、16年もの間逃亡生活を続けていた男です。それを聞いただけで、その恐ろしさが垣間見えるんですが、映画の中での彼はもっと冷酷で気持ち悪いです。

そもそも、ハゲ頭で演じているジョニー・デップが過去最高と言ってもいいくらいの気持ち悪い演技なので、ここ最近ずっと、ジョニー・デップなのかどうかも怪しいようなファンシーな役者みたいなイメージとは程遠いリアルなハゲ野郎で、気持ち悪いなんて、もはや悪口を言っているみたいで嫌なんですけど、これが事実で、褒め言葉であることをどうか察してください。

一つひとつの挙動が気持ち悪く、いや普通に食事しててもいやらしさがあるし、喉を鳴らしながら話す様は異様な雰囲気を完璧に作り出してました。それ故に、ヤバい奴なのになぜか惹かれるカリスマ性のようなものを感じさせられたので、ハゲ怖いです。

「なりきる」ということに関しては、今までのファンシーな役回りで、本当に様々なキャラクターを演じきってきた経験あってこそかもしれないです。このジェームズ・”ホワイティ”・バルジャーを演じるためのステップだったのかも知れないです。

他のキャストに関して言えば、FBI捜査官であるコノリーを演じていたジョエル・エドガートンの堕ちていく様もよかったですね。それに対して、ホワイティの弟を演じたベネディクト・カンバーバッチはちょっと無駄遣いというか、もうちょっと見せ場が欲しかったなーという感じでした。

女性陣ではダコタ・ジョンソンの可愛さが際立っておりました。『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』の時もよりもだいぶ大人っぽくなっていて、女って怖いなーって思ったよ。でも、やっぱりハゲ怖い。
あと、娼婦!ジュノ・テンプル!しぶといよ!お前、早く逝けよ!と思ったけど、ここに妙なリアリティを感じてしまい、思わず笑ってしまいました。怖い怖い。

 

舞台である、南ボストンはこういった題材の映画に登場するので、こういうことが多い地域なんでしょうね。香港映画『インファナル・アフェア』のハリウッド版『ディパーテッド』なんかほぼ同じですよね。アイリッシュ系マフィアとFBIの話ですから。ボストンという地名でいえば、ベン・アフレックが監督した『ベイビー・ゴーン・ベイビー』、『ザ・タウン』でも舞台になっていますよね。もちろん、犯罪映画だけじゃないですよ。『イコライザー』もボストンじゃなかったっけ、あれ、これも何か闇があるな。

このあたりの作品を合わせて楽しむといいかもしれないですね。

 

■本当にジャンキーXLなの!?

今回、オープニングから重低音が効いたストリングの重苦しさを際立たせる音楽が印象的だったのですが、担当はトム・ホルケンボルフ(ホーケンバーグとも)。一瞬、誰やねんとなるのですが、彼の別名ジャンキーXLと聞けば、ピンとくる方も多いのかなと思います。

そうです、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で狂った世界を盛り上げてくれたジャンキー様です。印象的なドラムが一切ない、今回の音楽は、本当に彼の仕事なのかと疑わざるを得なかったのですが、トム・ホルケンボルフは彼なのです。

「ひゃっはー!」な音楽をやるときはジャンキーと名乗り、それじゃなく真面目な攻めを見せる時はホルケンボルフで堅実に音楽活動をしているのかな、と思います。ジャンキー名義の方がかっこいいことが多いですけど、別に嫌いじゃないです。

そんな彼の起用に関して、僕のサントラの師匠である葦見川和哉さん、通称あしさんがブログで推測ながら「確かにそうかもな」と思うことを書いて、さすがだなーと思いました。

何はともあれ、音楽がこの作品の雰囲気作りの重要なポイントであることは間違いないです。いい意味で、不快感高めてましたね。

 

マフィアとFBIの裏取引っていう社会の闇っていうのが現実問題あって、それをここまで静かに重苦しく描いた監督の力量には驚きます。だって、まだ長編監督作品3本目でしょ? 才能のある人がどんどん出てきて、注目されるっていうのはいいことです。

ちらっと出てくる教会のシーンは印象的だったなー。タイトルはミサとしての意味と塊としての意味と2つあるのかなーなんて思いました。

 

つまらないということではないですが、正直エンターテイメント性には欠けるので、ちょっと観るときは体力のいる作品です。気合いを入れて挑んでください。

 

予告編

ブラック・スキャンダル

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。