[映画の感想]『白鯨との闘い』海の上で生きることの現実

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[映画の感想]マイティ・ソーでお馴染みのクリス・ヘムズワース主演のロン・ハワード監督最新作『白鯨との闘い』観てきました。非常に見応えのある海難映画になっていました。それだけじゃないところもよかったです。トム・ホランドくんナイス!

白鯨との闘い

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白鯨との闘い

In the Heart of the Sea/監督:ロン・ハワード/2015年/アメリカ/122分

劇場公開日:2016年01月16日劇場公開 公式サイト

映画川柳

怖いのは でっかい鯨 だけじゃない

ざっくり、あらすじ

でかい、白い鯨に出会った

鯨油を採ることを生業としていた航海士オーウェン(クリス・ヘムズワース)は、ポラード船長(ベンジャミン・ウォーカー)率いるエセックス号で大海原を進む。そんな時、鯨の群れの存在を知りその海域に辿り着くも、そこにいたのはでかすぎる白い鯨だった。彼らが白鯨との死闘を繰り広げる姿、そしてそこで生まれる人間ドラマを大迫力の映像とともに描いた作品。

感想、思ったこと

アカデミー賞に合わせて公開時期を見送ったとか見送らないとかで昨年話題になった作品ですね。結果としてはノミネートならずでしたけど、充分見応えのある作品でした。狙い過ぎもよくないのかな。

■「白鯨」の基になった話

「白鯨」と聞くと、やっぱりハーマン・メルヴィルが書いた小説を思い浮かべると思います。2015年夏に公開された『バケモノの子』でも引用されていたので、それで覚えている方もいるかなーなんて思います。

今回の映画はそれを原作にしているのではなく、その基になった「復讐する海 捕鯨船エセックス号の悲劇」だということは一つ注意点かも知れないです。「白鯨」だと思って観に行ったらがっかりしちゃいますもんね。

私自身、どちらも原作は未読で「白鯨」だけはなんとなく話を知っている程度だったんです。で、今回映画観てどっちも読んでみたいなーと思いました。実際はもっとひどかったんだろうなーと。

で、この映画は2つの時代、物語が同時に進行していくんです。何やらもしゃもしゃした2人が語らうのと海に行く2つです。
もしゃもしゃの2人が話しているのは、海に行った後の話で、生き残りにその当時の話を聞いているっている部分なんですけど、黒いもしゃもしゃが「白鯨」の作者ハーマン・メルヴィル(ベン・ウィショー)なんです。なので、海で戦うベン・ウィショーは観れません。というか引っ張りだこですね、彼。

で、海を舞台にした方はマイティ・ソーでお馴染みのクリス・ヘムズワースを中心に展開していきます。ロン・ハワード監督とは『RUSH/プライドと友情』から引き続きですね。気に入られたのかな。そんな彼を中心に乗組員たちの本当に命を懸けた鯨との闘い、そしてそこから生じる人間ドラマはやばいです。

俯瞰した映像でわかる鯨の大きさと人のちっぽけさには海の恐怖をまざまざと見せつけられているような感覚になりますし、逆にものすごい接写をすることで焦燥しきっている彼らの強烈な感情を突き付けられるので、一緒になって海で闘っている気分になりました。

■極限状態だからこその選択

そんな海での闘いは鯨に限ったことではありませんでした。むしろ、鯨との闘いはメインテーマに見えるけどメインテーマじゃないという現実。

鯨に襲われ、生き延びるために乗組員たちが取る行動というのは仕方がないものであるとは思うんです。でも、やっぱり後ろめたさもあるわけで、そんなドラマが海の上でも、体験を聞きに来ているもしゃもしゃの方でも揺さぶってくるんですよね。ああ、どうすればよかったんだよ!

個人的に、そんな場面で震えながら目で訴えるトム・ホランドという若者にやられましたね。彼は個人的なMVPですよ。活躍という活躍はしてないですけど、その存在感は間違いないです。『インポッシブル』の時からだいぶ成長してますし、新生スパイダーマンということで、今後ますます目が離せません。トム・クルーズ、トム・ヒドルストンに続くトムです。きっと。

という意味では白鯨との闘いっていうタイトルだと、それだけをイメージしてきた観客は肩透かしを喰らうのかなーと思いました。なんだか、おりゃーってやってそうなイメージじゃないですか。

あと、気になったところで言うとロケ・バニョスのスコアがちょっと軽かったかなーって。ゲーム音楽っぽいんですよ。スリリングな展開に合わせて鳴らすのは上手いけど、ドラマを見せるには軽い感じがしちゃいました。とは言っても完成度はかなり高いので、棚の上に積もった埃って感じです。気になる人は気になるみたいな。

今回2Dで観たんですけど、3Dだと海の過酷な状況への没入感が凄まじいのだろうなーと思いつつ、4Dで観た日には飛んで来る水しぶきに何度も何度もメガネを拭くはめになるのだろうなーと思ってしまいました。2Dでも充分に楽しかったですよ。

海の水の感じとか、鯨の質感とか映像としてのクオリティはかなり高いので、アカデミー賞何かしらノミネートあってもよかったのに、同じワーナー配給のマッドマックスが強すぎたのかな。

予告編