[映画の感想]『くちびるに歌を』15年後の自分へ歌う想い。 A

 kuchi

くちびるに歌を

監督:三木孝浩/2015年/日本/132分

 

劇場公開日:2015年02月28日劇場公開 公式サイト

鑑賞日:2015年03月02日 TOHOシネマズ錦糸町 スクリーン1 にて

 

映画川柳

 

それぞれが 抱える想い 歌に乗せ

 

予告編

 

 

ざっくり、あらすじ

 

15年後の自分へ。

 

とある中学校に臨時音楽教師としてやってきた柏木ユリ(新垣結衣)は、そこで合唱部の顧問をすることになる。

合唱部の中学生との交流を通して、自分と向き合う彼女の姿を描いた作品。

 

 

感想、思ったこと

■想像の3倍くらいよくて、泣けてきた。

昨年『ホットロード』『アオハライド』と立て続けに青春漫画の映画化をしてきた三木孝浩監督の最新作ですね。『アオハライド』は申し訳ないのですが、見ておりません。それは『ホットロード』が残念だったからというのもあるんですよ。なので、今作も期待はあったものの不安の方が大きかったですね。でも、そんな不安は心地よい風に乗ってどこかへ行ってしまいました。そんな気持ちのよい作品です。

シンガーソングライターであるアンジェラ・アキが2008年のNHK全国合唱コンクールの課題曲として書き下ろした「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」とその曲を通じて交流をした中学生との話をモチーフに作られた同名小説が原作です。原作は未読ですが、元になっているNHKでのドキュメンタリーは続編含め見ているので、上手いこと小説になっているのだなーと思いながら観ていました。

 

三木監督作品といえばナレーションスタートなのですが、本作も相変わらずナレーションから始まりました。これからも続いていくんですかね、これ。相変わらず、光の加減が気持ちいいっすね。

ということでですね、よかったんですよ。邦画で久々に素直によかったなと思える作品に出会いましたね。三木監督もきっとこの作品のために前2作を手抜いていたんだろうな、と勝手に納得しております。そんなことないんだろうけど。

まず、中学生たちが歌う姿が一生懸命でいいんですよ。合唱部ではありませんでしたが、毎年合唱コンクールがあったので合唱の楽しさとか大変さみたいなのはわかるんですよね。そういう思い出みたいなものが蘇る身近な作品でもあると思いました。そこが自然と涙が流れてきた部分なのかな、なんて。

主人公は中学生であって、臨時でやってきた柏木先生。新垣結衣がねー上手いことやっていましたが、確実に子供たちも含めた周りに支えられていたなと思います。木村文乃の存在感もばっちりでしたね。それから、長谷川コトミ役の山口まゆちゃんが可愛い。そういえば、不倫ドロドロドラマ「昼顔」に出てたよ。可愛い。桑原サトル役の下田翔太くんも可愛い声してた。ていうか、合唱部の子たちみんなよかったよ。最近は中学生と言えど馬鹿にはできませんね。

柏木ユリと合唱部部長の中村ナズナが15歳と大人(15年後)という構図になっているのが巧いですよね。子供は子供で大人に助けられるし、大人は大人で子供から気付かされることがあったりという。「手紙」の内容を踏まえた作りになっているのがエンディングに効いてきました。

 

 

■改めて気付く「手紙」のよさ。

映画の映像で作られたMVです。本編中でも合唱されるのですが、エンディングはアンジェラ・アキのオリジナルバージョンになっているのですが、中学生の合唱バージョンとは全然響き方が違ってくるんですよね。不思議と。

ラストシーンもすごく心地よく終わってくれるのですが、その前の部分が感動的なのですが少し蛇足的かなと感じてしまいました。

にしても、この「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」という曲の良さというのに改めて気付かされました。個人的にはアンジェラ・アキは好きなんですけど、この手紙は彼女の曲の中でも最下位レベルで好きではなかったんです。いい曲で最初は聴いていたんですけど、長い間この手紙ばかり歌うことになってしまい、ライブに行っても「手紙で締める」みたいなことが多く飽き飽きしていたんですよね。だから、久しぶりにちゃんと聴いた気がします。だからこそ、色々なことがどっと溢れ出てきてしまいました。

合唱曲としては「マイバラード」も使われているのですが、これもまた名曲でいいんですよね。ちょっと、これアナ雪みたいに一緒に歌おうみたいなのやったら面白そうですね。どの合唱曲もプロの合唱団が歌っている訳ではなく、実際に演じている子たちが歌っているので下手くそって感じではないのですが、何とも素朴な感じがして、それがまたいいんですよね。

ピアノを基調としたスコアも抑えられているので、邪魔にならず響いていました。サントラ欲しい。

 

もう、なんか褒めてばっかりでなんだかよくわからないですけど、ここ最近の邦画の中ではかなり質の高い作品だなと思います。

重くなりそうな設定もあるのですが、意外と爽やかに観れる真っ直ぐな青春音楽映画になっています。

 

あ、声だけ出演している鈴木亮平のクレジットにも注目です(笑)

 

 

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