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[映画の感想]『フランス組曲』許されないラブストーリーから戦争を見る

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[映画の感想]第2次世界大戦中のフランスを舞台にドイツ軍中尉と禁断の恋をしてしまうフランス人女性の物語。この話が紡がれた背景により一層、二人の想いが悲しく映る映画になっていました。どうしようもない恋心を描くのは切ないですね。

フランス組曲

Photo: Steffan (C)2014 SUITE DISTRIBUTION LIMITED

 

目次

フランス組曲

Suite Francaise/監督:ソウル・ディブ/2014年/イギリス・フランス・ベルギー/107分

 

劇場公開日:2016年01月08日劇場公開(PG12) 公式サイト

 

映画川柳

 

二人なら 越えられるかと 思ってた

 

ざっくり、あらすじ

 

私、ドイツ軍の中尉が好きになってしまったみたい

 

戦時中フランスがドイツの統治下に置かれることとなった。各家庭ドイツ軍兵士を住まわせることになりリュシル(ミシェル・ウィリアムズ)のもとにも、中尉ブルーノ(マティアス・スーナールツ)が来ることになった。2人が音楽で心を通わせ、恋仲になっていく姿を描いた作品。

 

感想、思ったこと

映画を観ている間、戦争なんてクソ食らえと思うほどに2人の愛の物語が美しく、悲しかったです。なんか、こんな陳腐な表現しかできない自分がもっと悲しいです。

そして、アレクサンドラ・デスプラが作曲した、劇中に登場するピアノ曲が物悲しい旋律ながらも美しい映像にマッチしていて最高でした。ホントにいい仕事するよなー、この人。

■戦時中にしてはいけない恋

フランスとドイツは知っての通り敵国でした。それなのに、好きになったのはドイツ軍兵士だなんて口が裂けても言えないですよ。仲良く話をしているだけで「あいつは売国奴だ」なんて陰口を叩かれるんだからたまったもんじゃない。

ドイツ軍とひとつ屋根の下で生活をしなければいけない状況で、そりゃ無視し続けるわけにもいかないんですよ。なんなら旦那は戦地に赴いていて、寂しく不安な生活を送っていたらなおさらだと思います。

そこに「音楽」というものを通じて優しく距離を縮めてくる男性がいたら、そりゃね、心惹かれるでしょ。たとえ、その男が憎き敵国の人だったとしても。
そんな女性の揺れ動く心情と、どこか幸薄そうな女性をミシェル・ウィリアムズが見事に体現していてびっくりしました。ほんの一瞬で、その気持ちを表現する演技はすげーなと心の底から思いました。
特に、マティアス・スーナールツ演じるブルーノとの情事を描いているシーンが印象的で、人ってこういう時にそんなに儚さを秘めた表情になるんだな、と思いました。あんな顔どうやって演技するんだよ!と思うほどです。

素晴らしい女優さんですよ、彼女は。こういう幸薄い感じの役柄やらせたら右に出る人はいないですね。なんか失礼なこと言ってる気がする。ごめんなさい。褒めているんです。

 

そして、マティアス・スーナールツのポーカーフェイスな演技もよかったです。ああー切ないよ、そんな顔しないで!っていう感じ。この人どこかで観たことあるなーって思ってたらマリオン・コティヤールと『君と歩く世界』やってた人ですね!いい映画なんですよね、これも。久々に観ようかな。
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あと、気になるキャスティングとしてはドイツ軍のボネ中尉を演じてたのがトム・シリングっていうところ。なんか、聞き覚えのある声だなって最初は思ってたんですよ。そんで、顔もなんか観たことあるんですよ。エンドロールでトム・シリングって名前を観た時に「あ!ピエロがお前を嘲笑うだ!」って勝手に感動してました。彼もいい感じに嫌味なドイツ人やっていてよかったです。声が特徴的だから印象に残りやすいですし、注目の俳優さんだと思います。

そんな彼らの肉体美も存分に披露されています。というか、全裸男子がわちゃわちゃ出てくるのでお気をつけ下さい。カメラは遠いながらもちんこ映ってます、あれ、絶対。

 

■原作のことを思うと感動が増す

この作品のラストに登場するのが、原作の原稿なんですが、これが手書きなんです。そりゃそうですよね、これが書かれたの戦時中なんですもん。ユダヤ人だった原作者のイレーヌ・ネミロフスキーがドイツ軍から逃れながら書き綴ったとされる物語がこうして映像化されたっていう訳です。

そんな原作者はユダヤ人だったためにアウシュビッツ強制収容所に送られ、生涯を終えているんです。原稿は母の形見として娘が大切に大切に逃亡中も肌身離さず持っていたそうです。そして、この物語が日の目を見たのがイレーヌの死から60年も経った2004年というのがもうすでに壮大な物語になっているっていうのを知って、重みを感じました。

ドイツ軍から逃れながらも、彼女の心のどこかに「彼らも同じ人間だから」という気持ちがあったんだろうなと思います。映画の中でも主人公の口からそんなことが語られていました。そして、劇中に登場するユダヤ人の母娘に原作者とその娘の姿を重ねてしまいました。

 

恋仲になる人もいれば、やっぱりずっと敵でなければならなかった人もいる。戦争が引き裂いた想いってもっともっと色々あったんだろうなと思います。フィクションとは言え、そこにある「同じ人間」という想いは今の時代にだって考えなければいけないことだと思います。原作が生まれた背景を意識しながら観たほうがいいですね。

 

予告編

 

 

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