[映画の感想]『セッション』この狂気に引っ叩かれる。 A+

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 whiplash

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セッション

Whiplash/監督:デイミアン・チャゼル/2014年/アメリカ/107分

劇場公開日:2015年04月17日劇場公開 公式サイト

映画川柳

イカれても 自分のテンポ 刻んでく 

予告編

ざっくり、あらすじ

俺のドラムを聴け!

有名音楽学校へ入学し、ジャズドラマーとしての成功を目指すアンドリュー(マイルズ・テラー)は、鬼のような教師フレッチャー(J.K.シモンズ)と出会う。

その常軌を逸した指導の狂気を描いた作品。

感想、思ったこと

■今年暫定1位の作品。

こういう映画が好きなんです。何かうまく言葉にすることが出来ないのですが、今年暫定1位の作品です。

第87回アカデミー賞で助演男優賞、録音賞、編集賞を受賞した作品ですね。獲ったことに何の疑いも抱かない納得の出来です。作品賞ノミネートということからも非常に力のある作品であることがわかると思います。色々と秘めてました。

ジャズドラマーを目指す主人公アンドリューを演じているのがマイルズ・テラー。リブート版『ファンタスティック・フォー』への出演で注目されている彼ですが、『ダイバージェント』や『21オーバー 最初の二日酔い』にも出演してます。後者の方は個人的には好きな作品で面白いのでオススメです。そんな彼がドラムにのめり込んでいる姿を熱演してるんですが、ドラムの経験は特になかったそうです。そうとは思えないようなドラマーっぷりを披露していて、手に血豆を作って、流血しながらも(本物の血らしい)鬼教師フレッチャーへ食らいついていく姿は「そこまでしなくても」と思ってしまう程。

そんな演技を引き出しているのは、誰がどう考えてもフレッチャーという鬼教師を演じたJ.K.シモンズです。この皺くちゃのおっさんが頭おかしいんです。でも、そんなしわくちゃに付いていこうとするアンドリューも相当頭おかしい。そんな二つの狂気が混ざりあって化学反応を起こした結果がラスト10分ってことです。狂気が熱狂に変わる瞬間ですね。

話の内容自体は正直、荒っぽさがあると思います。いくらでも批判のできる中身です。でも、それを気にさせないだけの勢いがあるんですよ。音楽をちょっとでもやっていた身としてはたまらなく響いてくる部分があるんですよね。ちょっと感覚的なものでもあるのですが。

よく「衝撃のラスト◯◯分!」なんて謳い文句がありますが、大したことなかったりしますよね。でも、この作品のラスト10分はとにかく凄まじいです。映画体験として、間違いなく記憶に残るものがあると思います。セッションという言葉ほど優しくはない音楽の世界が待ってます。映画館という音響設備の整った環境で観るべき作品だと思いますよ。

このクライマックスでどれだけニヤニヤしたことか。

■音楽映画を超えた恐怖。

一見、ドラマーの青春物語のような側面があるようなないような印象を受けるのですが、そういうものを期待して観に行くと確実に肩透かしを食らう上に不快感すら覚えてしまうかと思うので注意してください。ちょっとしたホラー映画のようなスリリングな緊張感があるんですよね。それがずっと続いていくんです。そして、その緊張から解放される瞬間もあるんですけど、まるでジェットコースターですね。そこから一気に畳み掛けるように駆けていくクライマックス。怖いよ、フレッチャー。

自分も普通に音楽映画というのを期待していたんです。ジャズドラマーの成長物語か何かだと。いい方向で裏切られたのでよかったですけどね。ということで、その辺りに少し気を付けてもらえるとより楽しめると思います。<のめり込み>の映画ですね。

もちろん、音楽を扱っているだけあってサントラはジャズの名曲がふんだんに使われています。あまりジャズは詳しくないので語れないのが申し訳ないです。本作ではビッグバンドと呼ばれるホーンセクション(金管楽器)とリズム隊、十数名からなる形式のジャズだってことくらいしかわからない。あんまり知ったかぶって話すのも嫌なので詳しい人教えてください。原題のWhiplashというのも実は曲名で、原曲とは違ったアレンジで本編の中で演奏されていたりします。

書いていて思ったのは、何が言いたいのかわからないということ。バードマンもそうですが、これも認めてもらいたい人間の話ではあると思うんです。個人的にはバードマンのそれよりも自分に近いものを感じて、熱くなってしまっています。そして、言いたいことが上手く言葉にできないのかなと思います。申し訳ないですね。公開されたら映画館にもう一度観に行き、落ち着いたら何か追記するかもしれません。

人はどこまでのめり込めるのか。そんな極限でしかわかりえないものがあるのは確かだと思います。

ニヤニヤが止まらない。

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