[映画の感想]ポスターからもわかる本気度が作品からもヒシヒシと伝わってくるような映像と物語でした。もしかしたら子どもにはちょっと難しいかもしれないけど、パオパオが可愛いから大丈夫だと思います。大人が観ても普通に楽しめる、そんな作品でした。
映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険
監督:高橋敦史/2017年/日本/101分
劇場公開日:2017年03月04日劇場公開 公式サイト
映画川柳
ドラえもん 映画はいつも 外さない
ざっくり、あらすじ
氷の下に遺跡が眠っていました。
夏休み、暑すぎて氷山に遊びに行ったのび太たちはそこで凍ったリングを見つける。その持ち主を探すために南極の大冒険を描いた作品。
感想、思ったこと
今年はポスターが一味違うことで話題のドラえもん。小さな子どもたちに混ざって25歳が観てきました。ドラえもんの映画ってこんなに凝って作られてたんだっていう発見ができたので非常に大満足。色々な要素を詰め込んでいて、やっぱドラえもんはすごいなぁって思っちゃいました。
■相変わらずの安定感
記憶が正しければ2003年の『のび太とふしぎ風使い』以来の映画館でドラえもんだったので、14年も観てこなかったんだなーとしみじみ。それまでは毎年のようにドラえもん映画を観に行くような子どもだったのになぁ。南海大冒険とかねじ巻きシティとか好きだったんですけどね。
そんな幼い頃の記憶を思い出しながら、映画館にいったんですけど、そうですよね、子どもばっかですよね。大きくても中学生くらいの年齢層の中、最初の難関が劇場入り口でした。並んだら自分だけなんかやたらでかい、みたいな。しかも普通に入場者プレゼントくれるから何かびっくりしました。でも、久々にこういうのもらえて嬉しかったですね。パオパオっていうゾウみたいな生き物に乗ったドラえもんのおもちゃ、飾っておこうっと。
内容としては相変わらずドラえもんとのび太を中心に大冒険!舞台が南極の下に眠る遺跡ということでロマンもあって、子どもじゃなくてもワクワクしちゃうような設定でした。いい感じのところでピンチになって、それぞれに見せ場があって最後まで楽しませてくれる感じはいつも通りというか、記憶通りだなっていう。安心感があっていいですね、ホント。
ひみつ道具が際限なく使えるわけじゃなく、制限があるのも映画お約束って感じで好きです。何でもできちゃ面白くないですもんね。しかも、使い方とか組み合わせ方次第で色々と面白くなっていくのもよかったです。
■まさかの時間を使った仕掛け
実は今回の物語は10万年もの時間を行き来するタイムトラベルものなんですけど、まぁドラえもんだったらタイムマシンあるし、普通っちゃ普通なんですよね。
この映画はそれが上手に作用していて、時間を使った仕掛けを見事に物語へと取り入れて、伏線をキレイに回収していくというなんとまあよくできた話なんだ!と思ってしまうほどでした。最後の最後まで繋がっているからびっくり。トリッキーでした。
ポスターであれだけ気合い入ってたから、中身もだいぶ気合い入ってました。ホントすげー。子ども向けと思って観に行ってこれだから、舐めちゃいかんですね。
ちなみに物語だけじゃなくて、映像もかなり描きこまれていて観ていて飽きなかったし、絵のタッチも好みでした。オープニングのタイトルの出方、よかった。
あと、音響と音楽。臨場感のあるサラウンドとかこんなにドラえもんの映画って鳴るんだなぁと観ながら思ったほどでした。音楽は個人的には好きで、なんかハリウッドのアドベンチャー映画のテーマみたいな曲とかもいい感じだし、平井堅が歌う主題歌が好きでした。
人間ドラマの部分では正直今までの作品の中にもっといいのあったと思います。けど、何かあったら人のせいにすぐしたり、手のひらすぐに返したりと人間臭さも忘れないところは観ていて心地よかったですね。
今年のドラえもんは子どもは純粋に冒険ものとしてハラハラドキドキを楽しめるし、大人はこの物語のちょっとした一捻りというか、仕掛けを楽しむと親子でも十分に楽しめるのかなと思いました。
久々に観に行くのもいいものですね。
ちょっと過去作が観たくなったので観ようかなー。