楽園追放 -Expelled from Paradise-
監督:水島精二/2014年/日本/104分
劇場公開日:2014年11月15日劇場公開 公式サイト
鑑賞日:2014年11月17日 映画館 にて
映画川柳
縛られて 今いるここが 楽園か
予告編
ざっくり、あらすじ
一緒に宇宙に行きませんか?
電脳世界「ディーヴァ」が突如ハッキングされる。
その発信者を突き止めるためにアンジェラが地上に降り、成長する作品。
感想、思ったこと
■フル3DCGアニメーション
3DCGのアニメと聞くと思い浮かべるのは、ディズニーやピクサーのようなリアルに見える立体像を描いている作品なのかな、と思います。本作は、そういったリアルな方向性で見せる3DCGではなく、セルアニメかのように見える絵を3DCGでやっている作品になります。最近はテレビアニメでもそういった作品は見られるのでお馴染みといえばお馴染みなんですけど、自分が見てきたものは何だか違和感を感じるものが多く、イマイチ乗れないことばかりでした。この作品は、そんな違和感をさほど感じることなく、3DCGならではのメカ(ロボット)描写が熱く、興奮するものになっていました。
メカと3DCGは相性がいいみたいで、変形とかしたら、そりゃもう、ね。トランスフォーマーなんかもロボットの変形シーンだけおかわりしたいような人間なので、大好きです。ガチャガチャするのは楽しいですよね。
人物はどうなんだって話なんですが、そちらもさほど違和感を感じることはなくと言いたいところなんですが、セルやリアル志向のアニメを見慣れているせいか、ぎこちなさを感じる部分はやっぱりありました。それでも今まで見たことのある、セルアニメ風3DCGアニメの中では一番ナチュラルに動いていたなと思います。主人公アンジェラの胸を動かしすぎなのと、髪の毛を動かすのが難しいのかな、と思いました。
電脳世界の描写はなんだか、懐かしいようなチープさがあって冒頭は大丈夫かな、と思いました。
■ラスト15分の怒涛の展開
この作品104分と程よい長さで、クリストファーなんとかのインターなんたらの169分と比べると見やすさが段違いなのですが(笑) ほぼラスト15分に集約されているかな、予算のほとんどが、と言いたくなるような怒涛の戦闘シーンを見せられます。これがまた熱いんですわ。ここだけでも必見ですね。あの感じはヱヴァQにおけるUS作戦……違いますね。ここで気になったのは弾道が手書き風だったというところとアンジェラの表情。これが3DCGなの!?と思うほどナチュラルなクオリティだったので、今後3DCGの作品はもっともっと増えていくのだろうなと感じました。
ストーリー的にはそこまで目新しいものを感じなかったのですが、どことなく11月22日公開のクリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』に通じるものがあるように感じました。荒廃した地球を捨て、宇宙に探索しにいく話っていうだけじゃなく、宇宙に行こうぜ!みたいなロマン的な部分ですね。もちろん、話は全然違いますし、『インターステラー』の方が上を行っているんですけどね。
もうちょっと中身の話をすると、「電脳世界(宇宙?)」と「現実世界(地上)」、「人間らしくない人間」と「人間らしいロボット」というような対比があって、どちらも正解だよねみたいな。こういう生き方ももちろんあるし、そういうのもありだよね、でどうするかは君次第じゃない?的な話とタイトルが示す「楽園」とは何なんだろう。「自由」って?みたいな部分を中心に描かれているアンジェラの選択と成長の物語に見えました。
■無駄遣いというかなんというか。
最後に気になったこと、減点ポイントをいくつか。
まず、声優さんの無駄遣い!長さの都合などもあると思うので、描けない部分もたくさんあるとは思うのですが、それでも林原めぐみ(綾波レイ)、高山みなみ(江戸川コナン)、三石琴乃(葛城ミサト)という声優素人の自分でもわかる豪華なお三方の掛け合いをもっと見せてくれという部分。いや、本当にいつ出てくるんだろうって楽しみにしていたんですけどね。なかなか出てこないは、出てきたらすぐいなくなるわ、でもうガッカリしました。主人公アンジェラを演じていた釘宮理恵は「金色のガッシュ・ベル!!」でティオを演じている方だったのでなんだか聞き覚えがあって、素敵な声優布陣だったというところはよかったんですけどね。ポケモンのムサシとコジロウもいたのか。
それから、虚淵脚本に捻りを期待していたので、それがない分物足りなさを感じてしまったというところですね。王道なストーリーで非常にわかりやすく観ていて飽きることはないのですが、ストレート過ぎて、こういう話なのかーと思ってしまいました。
次に音楽がいいのに、サラウンド感がなくただ騒々しく感じてしまったところ。これは自分の耳が悪いだけなのかもしれません。数多く劇場で鑑賞しているのでなんとなく体感的なものが麻痺してるのかもしれないです。すみません。迫力があるのでいいんですが、前面ばかりから音が出ている印象でなんだか音の広がりを感じられませんでした。残念。Blu-rayの仕様を見ると、ちゃんと5.1chサラウンドになっているので、うーん、耳がおかしかったのかな。
最後に、アンジェラがいちいちエロいところ。もちろん、そういうのを狙って作っているんでしょうが、さすがにあんな格好で戦ってほしくないし、ボディスーツ大好き人間としてはよっぽどエヴァシリーズのプラグスーツみたいなものの方がいいですね。あざとさをもう少し中和して欲しかった。そしたら、もっと色々な人に勧められるのにな、と感じました。
長々と書いてしまいましたが、満足はしています。気になる人にはぜひ劇場で観てほしいです。Blu-ray来月に出るし、配信はすでに始まっているんですけどね(笑)
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