[映画の感想]『orange オレンジ』山﨑賢人が魅せる泣きの演技

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[映画の感想]人気コミック「orange」を実写映画化ということで、さっそく観てきました。「未来の自分から届いた手紙をきっかけに未来を変えようと奮闘する」切ない青春モノな原作が好きで読んできた身としては、どう映像になっているのかちょっと不安だったのですが、思っていたよりもよかったです。

orange

(C)2015「orange」製作委員会
(C)高野苺/双葉社

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orange オレンジ

監督:橋本光二郎/2015年/日本/139分

劇場公開日:2015年12月12日劇場公開 公式サイト

映画川柳

原作と 比べてしまうよ どうしても

ざっくり、あらすじ

10年後の自分から手紙が来た

高校2年になった春、高宮菜穂(土屋太鳳)は未来の自分からの手紙を受け取る。その手紙に書かれているのは、転校生である成瀬翔(山﨑賢人)をめぐる後悔を消して欲しいということだった。未来を変えるために奮闘する姿を描いた作品。

感想、思ったこと

原作コミックにハマっていたら、映画になるというニュースが飛び込んできて、どうなることやらと思っていました。でも、思っていたよりも悪くなくて驚きました。切ないよー。よかったです。もうちょい、短くしてもよかったかも知れないなー。

■山﨑賢人は「壁ドン」だけではない

まず、言いたいのは「壁ドン」が話題になりがちな山﨑賢人ですが、今作では「壁ドン」なんてものはありません。代わりに「おでコツン」があります。「おでコツン」って勝手に命名したけど、見ればわかります。

その「壁ドン」によって女子中高生にきゃーきゃー言われ、キュンキュンさせてるみたいなイメージが強い彼ですが、今作においてはその演技も注目すべきポイントなんだな、と思いました。

特に、今回思ったのは「泣ける」んだなっていうことで、泣く演技ってどこか不自然になりがちなんですよね。そのせいで、観ているこっちが冷めてしまうことも多いんですよ。「なんで、ここで泣くの?」とか「ちょっと、泣き方おかしくない?」みたいな感じの話です。

それがすんなりと入ってくる泣きの演技なんですよね。よかったです。こりゃ、観ている側も泣きますよ。

成瀬翔というちょっと何か抱えている役どころも似合っていたし、表情で魅せる切なさも素晴らしい。これはいい配役だなーと思いました。お風呂のシーンでチラっとセクシーさも出ておりましたので、もう本当ファン必見です!

キャスティングの話をすると、たかちゃんこと茅野貴子役である山崎紘菜もよかったですね。彼女、TOHOシネマズで見慣れているっていうのもあるのかもしれないですけど、声が少々低めでたかちゃんのキャラクターに合ってました。あずも萩田もいい感じでしたね。須和役の竜星涼も忘れちゃいけないですね。

あと、抜群の存在感を見せてたのは上田先輩を演じていた、真野恵里菜ですね。ほとんと出番ないんですけど、異様な印象を残してくある意味MVPかも知れないです。原作のイメージは篠田麻里子だったんですけど、真野さん恐るべしです。

■原作との違いは結構ある

映画にするとどうしても限られた時間の中で物語を紡いでいかなければならないのが、やっぱり問題になってくるんですよね。

原作コミック自体は全部で5巻と決して長い作品ではないんですけど、139分にするにはやっぱり長いです。そうなるとカットされるエピソードが出てくるんですよね。今回は結構大事な部分カットしてない?と思うこともあって物足りなさを感じたの正直なところです。

それでも、うまいことエピソード内での省略があったり、文化祭、体育祭と見せ場としても機能するエピソードを積み重ねてクライマックスに繋げていたのは最善策だったのかなと思います。原作での設定を変えることによって、お話をスリム化しているのもありでした。問題はそのせいで、何だか薄っぺらくなってしまった部分もあるように思います。

そして、映画化における最大の穴が「未来からの手紙」の描写なんですよね。これによって、どうしても心の声がダダ漏れすることになるんですよ。手紙を映して、観ている側が読むだけじゃ映画として弱いし、かといって俳優たちのセリフとしても……。これがまんまとそのまま穴になっているので、個人的には「しつこい」と思ってしまいました。この作品に乗れない人がいたとしたら、それはこのしつこさのような気がします。

逆にいうと、これでもかっていうくらいわかりやすくなっているので、誰でも観やすい作品だなと感じました。女子中高生に囲まれて観ましたけど、そういうことだと思います。

ちょっと、クライマックスにホラーっぽい演出があって、怖かったんですけど、何なんですかね。ざわついてたもんなー。

原作コミックと映画を比べるのはよくないって今までの映画化で何度も学んできているので、これはこれでよしとします。朝ドラで夫婦を演じていた土屋太鳳と山﨑賢人が今度は初々しく高校生の青春をやっているっていうのが何だかおかしく感じましたけど、息の合っている感じはさすがだな、と思いました。

ガンガン泣かせようと迫ってくるような作品ではないので、そういうのに萎えるという方でも楽しめると思います。山﨑賢人の泣きの演技と切ないストーリーをぜひ、劇場で堪能して欲しいです!

予告編