[映画の感想]『知らない、ふたり』NU’ESTメンバーによる切ない苦みが残る恋愛群像劇

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[映画の感想]今泉力哉監督最新作『知らない、ふたり』は恋心、複雑に絡み合う群像劇になっています。登場人物たちのすれ違いが繋がっていく様は気持ちよさと共に切なさを残していきます。東京国際映画祭で一足早く観ているので感想を書きました。

知らない、ふたり

(C)2015 NIKKATSU, So-net Entertainment, Ariola Japan

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知らない、ふたり

監督:今泉力哉/2016年/日本/106分

劇場公開日:2016年01月09日劇場公開 公式サイト

映画川柳

すれ違い 知らない方が よかったの

ざっくり、あらすじ

あなたのことが好きです

過去に何かを抱えている靴職人見習いのレオン(レン)とそんな彼に惹かれている小風(青柳文子)の元にヒールが壊れた靴の修理が舞い込んでくる。そこから、レオンを中心とした男女の恋愛群像劇が描かれる作品。

感想、思ったこと

タイトルだけでどんな話なんだろうとあまり期待せずに観た作品だったのですが、好きでした。シンプルに「好き」を描いている群像劇なんですよね。この短い間にここまで色々な方向の好きを描き絡ませてくるとは思わなかったです。

■韓国人キャストがいい感じ!

この作品の中心人物レオンを演じているのがNU’ESTというK-POPグループのメンバーであるレンという男の子なんですよね。中性的でどこか虚ろ気な感じが、今回のレオンって役にハマっていました。

過去のとあることのせいで、あまり人と関わらずに生活しているので口数が少なくてミステリアスな雰囲気なんですけど、似合ってました。感情を露わにする演技もオーバー過ぎず胸を打つものがありました。

登場する韓国人の男の子たちはみんなこのNU’ESTのメンバーだということで、なんだかアイドルムービーみたいな感じもするかも知れないですけど、そんなことないです。セクシーショットとかもないし、ただただすれ違う恋愛群像劇です。

NU’EST自体はすでに日本デビューしているグループなので、好きな人も多いのかなと思います。ちなみに主題歌も彼らが担当しているのでそこも含めて楽しめると思います。この曲もいい感じにマッチしているので、聴き入っちゃいました。

登場人物の半数が韓国人キャストでハングルもがっつり使っているので、日本の映画でありながら韓国映画のような香りもするんですけど、あんまり気にせずに観れるので安心してください。

■群像劇としてもちょうどいい絡み具合

群像劇作品って登場人物ごとの違う視点から見えてくる事柄で話が進んで行ったり、繋がっていくのが面白くて、それが個人的には気持ちよくて好きなんですよね。もちろん、群像劇って幅が広いから全部が全部上手いこと繋がっていくものとも限らないんですけどね。
有名なところでいくと『桐島、部活やめるってよ』なんていう青春群像劇があるんですけど、面白いですよね。他人事として観ていられない映画ですけど。あと、大好きな映画でもある内田けんじ監督の『運命じゃない人』も忘れちゃいけないです。

そんな群像劇の名作と一緒に並べてもいいくらい、『知らない、ふたり』の登場人物たちの絡み合いかたがちょうどいいんですよね。絡まなすぎず、絡みすぎずの距離感でバランスがよかったです。

恋する男女7人がああだ、こうだと三角関係を超えて四角、五角と絡み合っていって面白いです。ラストも何だか苦みがあるものの個人的には好きです。

こうやって「好き」を色々な方向から描いていくと、群像劇ならではのすれ違いが発生する度に切ない、切ない。もう、何やってんだよーと思ったりする始末です。

お互いに気持ちを知らずにいることがいいことももちろんあるんですけど、「好き」って気持ちばっかりはちゃんと素直に表現していった方がいいですよね。なんて。

こういう小粒ながらもしっかりと作品と気持ちを見せてくれる映画はじわじわとでもいいので、口コミとかで良さが広がっていくといいなと思います。

都内では1月9日から新宿武蔵野館で公開になります。1月31日からはシネマカリテやシネマート新宿でも観れるようなので、とりあえず新宿の映画館へ行こう!って感じですね。

予告編