[映画の感想]『アリスのままで』私が私じゃなくなる前に。 A

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アリスのままで

Still Alice/監督:リチャード・グラツァー,ウォッシュ・ウエストモアランド/2014年/アメリカ/101分

劇場公開日:2015年06月27日劇場公開 公式サイト

鑑賞日:2015年06月30日 新宿ピカデリー スクリーン3 にて

映画川柳

そばにいる 君だからこそ 目をそらす

予告編

ざっくり、あらすじ

若年性アルツハイマーと闘う家族の物語。

コロンビア大学で言語学者として教鞭を執るアリス(ジュリアン・ムーア)は言葉を忘れたり、道に迷ったりといった症状に悩む。

医師からは若年性アルツハイマー病と診断され、次第に自分を失っていく姿を家族との哀しくもリアルな繋がりを描いた作品。

感想、思ったこと

■ジュリアン・ムーア、恐るべし。

いやー観てから少し期間が空いてしまいましたが、しっかりと感想を書いていきたいと思います。はじめに断っておくと、この映画はお涙頂戴の感動モノではなく、どちらかというと観ているのが辛くなるタイプの映画です。正直、あまり期待せずに少しの覚悟を持って鑑賞された方がいいと思います。ピアノとストリングスの抑えられた音楽で個人的にはすごく好みの雰囲気で進むし、好きな俳優さんたちが観れて満足しています。最近、A評価ばかりで、どうなってんだって感じですけどね。

本作の最大の見所は、何と言ってもアリス役で主演のジュリアン・ムーア!彼女は本作で、アカデミー賞をはじめとする数々の映画賞の主演女優賞を受賞しています。その受賞も納得の演技と変化ですね。アルツハイマーに悩まされる女性としての繊細な表情と言語学者としてのプライドなどを表現する安定感はさすがだなと思いました。

中でも驚かされたのは病状が進行していくにつれて彼女の見た目が変化していくんですよ。最初は綺麗なできる女性って感じだったんですが、次第にやつれていき観ているのが辛くなるんですよね。いやー恐ろしいです、ジュリアン・ムーア。

■支える家族の姿が哀しい

アルツハイマーという病気を抱えたアリスを支えることになる家族たちの姿が何とも言えないんですよね。

一番そばにいるのはもちろん夫なワケですが、自分の仕事とかもあるわけですよ。彼女の面倒も見たいけど、愛する人が愛する人じゃなくなっていってしまう姿を目の前で何もできずに見ていることの辛さって計り知れないですよね。

アリスには子供が3人いるのですが、長女アナ役はケイト・ボスワースが演じています。長女には家庭があり、やっぱり自分のことを守りたい。複雑な想いがあったんだろうなって思います。長男トムは特に何もないです。ハンター・パリッシュというイケメンなのですが、あんまり映画に出演してくれなくて困っている推しメン俳優です。ただ、彼が絡むスピーチのシーンは素晴らしいですね。ここをクライマックスに持ってこないあたりが、この映画をより見ていてツラいものにしているんだろうなと思います。

そして、次女のリディア役がクリステン・スチュアートです。映画『トワイライト』シリーズでお馴染みの可愛い子です。今作でも可愛いです。ちょっと、やさぐれた感じが似合っていて、母親とは距離を置いて夢を追いかける役柄ではありますが、ここの母と娘の関係性が本当によくてラストはグッと来ましたね。

家族であっても近すぎず遠すぎずの適度な距離感って絶対必要で、むしろ近くにいることが相手をわかることに必ずしも結びつかないってことをまざまざと見せつけられた作品でもあります。認知症、アルツハイマーに対しての認識をしっかり持っておきたいです。

惜しくもこの作品が遺作となってしまったリチャード・グラツァー監督に感謝します。

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