[映画の感想]『ストレイト・アウタ・コンプトン』ラップに込めた仲間への想い

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[映画の感想]現在の音楽に大きな影響を与えた「N.W.A.」というグループの姿を描いた作品『ストレイト・アウタ・コンプトン』観てきました。色々なタイプの音楽映画が公開された2015年ですが、これは見逃せない1本です。ラップに興味がないとか、全然知らないからとかで見逃すにはもったいないです。

ストレイト・アウタ・コンプトン

(C)2015 UNIVERSAL STUDIOS

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ストレイト・アウタ・コンプトン

Straight Outta Compton/監督:F・ゲイリー・グレイ/2015年/アメリカ/147分

劇場公開日:2015年12月19日劇場公開(R15+) 公式サイト

映画川柳

お互いを 傷付け合って 涙する

ざっくり、あらすじ

俺たちは俺たちの言いたいことを言う

アメリカのカリフォルニア州コンプトンという街で生まれた「N.W.A.」というヒップホップ(ラップ)グループの結成から解散、そしてその後の友情までを描いた実話ベースの作品。

感想、思ったこと

こんなにも力のある映画だとは思いませんでした。そもそもヒップホップは普段あまり聴かないジャンルだし、「N.W.A.」というグループ自体も名前を聞いたことがある程度でその活躍は申し訳ないですが、知りませんでした。それを恥じと思うくらいの映画でした。

■音楽映画というかドラマ

自分の中でこの作品の位置付け難しく、音楽映画だと思って観に行ったんですよ。でも、音楽映画の感覚よりもドラマとしての魅力の方が強いんですよね。
もちろん、「N.W.A.」というグループが歩んできた道のりをその音楽と共に描いているので音楽映画として観ても充分に楽しめることは間違いないです。ヒップホップ、ラップが聴きたくなります。今、これ書きながら彼らのアルバム聞いてます。そういう気持ちにさせてくれます。

イージー・E、アイス・キューブ、ドクター・ドレーの3人を中心にMCレン、DJイェラといったメンバーやジェリーという彼らのマネージャー、他のアーティストなどを巻き込んでいくんですよね。主要の3人がそれぞれの想いを抱えながら音楽でぶつかっていくので、ちょっとした青春群像劇でした。

特にアイス・キューブがいいですよね。普通の学生しているのに、こういう音楽をやっていくことになる過程が何とも言えないです。悲しいですよ。

1980年代ってつい最近のように思えるんですけど、まだまだ時代的には今ほど社会は寛大ではなかったんだなーというのを思い知らされます。それと同時に彼らが「ファック・ザ・ポリス」に代表されるような音楽を通して訴えていたものはいつの時代も腐ることのないものなのかなと思います。

みんなでうおーってやっていくのって本当に楽しいですよね。ああ、どうしてこうなってしまうんでしょうね。こういうのって音楽だけじゃなくて、ありとあらゆるものごとに置き換えて考えられるから、自然と感情移入しちゃって大変ですよ。もう、クライマックスは涙なしでは観れないような友情が描かれているし、何だか虚しさというか不思議な切なさを感じました。

■社会派なんですよ、ギャングじゃないし

彼らはFBIに追われるようなグループだったわけですけど、その後影響を与えたことを考えるとすごいですよね。一時代を築いたと言っても過言ではないですよね。ヘッドフォンのBeats作ったり、グラミー賞で今話題のケンドリック・ラマーだってそうですよ。影響受けてるんです。

そもそもこの「ストレイト・アウタ・コンプトン」というタイトルが示す「コンプトンの真実を伝えるぞ」っていう想いもね、いいですよね。

このポスターに書かれているロゴ、何か見たことあるなーと思ったら輸入盤のCDによく貼ってある「ペアレンタル・アドバイザリー」のステッカーと同じなんですよね。調べてみたら、この教育によくない内容だよを知らせることを義務付けるきっかけになったのが彼らっていうね。

彼らが歌っている内容は過激かもしれないけど、それは心からの叫びであって間違いではないのになーと思うんですよね。『フルートベール駅で』っていう作品で描かれた内容に通ずるものがあって、未だにその現実は変わっていないのだなーと思うとアメリカの闇は深いのかもしれません。

話は全然変わりますけど、ドクター・ドレーの弟を演じていたキース・パワーズがイケメン過ぎて、謎の違和感を感じました。何、あの人キラキラしすぎ。

何はともあれ、ヒップホップにあまり興味がなかった自分がこんなにも楽しめるとは思っても見なかったですし、数々の音楽映画を観てきた2015年の作品の中でもトップクラスです。上映館数が少ないのがもったいないなーと思うほどです。

色々と学ぶこともあるでしょうし、考えてしまうこともあると思います。そして、彼らの熱い友情に心揺さぶられる作品です。観てよかったです。

劇中彼らが何度も口にする「ドープ」という言葉は「イケてる」っていう意味だと認識しているけど、感覚的には現代の「ヤバい」に通じるものがあるのかもしれないですね。

この映画、マジでドープ。

予告編