[映画の感想]2014年の第27回東京国際映画祭のコンペティション部門上映作品として出品されていた『1001グラム ハカリしれない愛のこと』(映画祭では『1001グラム』)の感想です。北欧の洗練された様式美、線の美しさなんかも同時に楽しめる作品です。
1001グラム ハカリしれない愛のこと
1001Grams/監督:ベント・ハーメル/2014年/ノルウェー・ドイツ・フランス/93分
劇場公開日:2015年10月31日公開
鑑賞日:2014年10月30日 【第27回東京国際映画祭】TOHOシネマズ日本橋 スクリーン6 にて
映画川柳
色彩と 計算された 美しさ
予告編
ざっくり、あらすじ
パパ、あたし頑張るわ。
測量研究所に勤める主人公は父の仕事を引き受けることになり、
その仕事を通して成長していく姿を描いた作品。
感想、思ったこと
ベント・ハーメル監督って名前は聞いたことあるんですけど、作品は観たことのないノルウェーの映画監督なんですよね。2015年の東京国際映画祭では、審査員をしていました。映画祭と縁のある監督さんです。
ちょっとこれを機会に観ていきたいと思いました。
■1000グラムが基準
作品自体はどこか説明的で、乗り切れなかった部分があるのですが、映像の美しさと不穏な音楽が好みでした。
北欧の家具って有名ですけど、こうも線を意識して映像に乗っかるとオシャレというよりも美しいとしか言えないですね。
この映画で大事なことは基準は1000グラムということなんですよね。それが印象に残るシーンがあるんですよね。遺灰の重さを測るんですよね。1022グラムだったものが21グラム減って、タイトルの1001グラムになるのです。そして、主人公が微笑む。人の魂は21グラムなんていうセリフがあるんですけど、成仏するシーンだと思っています。そして、1000グラムが普通の人生だとしたら、1グラム分プラスのある人生を過ごすことができたということを確認するという。こういうの大好きです。いいですね。
■副題はあなたは15センチ
いやーこの映画のクライマックスは正直笑ってしまいました。そこまで積み上げていたものを一気に崩されたので、どうしてくれるこの気持ち!って感じでしたね(笑) 全然ありなんですけどね。ふふふ。それでも主人公が心を開いて、一歩踏み出したという意味ではハッピーですけどね。
この作品は劇場公開されるんじゃないでしょうか。