ゼロ・グラビティ
Gravity/監督:アルフォンソ・キュアロン/2013年/イギリス・アメリカ/91分
劇場公開日:2013年12月13日劇場公開 公式サイト
鑑賞日:2013年11月18日 【試写】TOHOシネマズ 船橋 スクリーン4 Dolby Atmos 3D字幕版 にて
映画川柳
宇宙には 酸素がないと 思い知る
予告編
ざっくり、あらすじ
生きるか死ぬか。
とある事故で宇宙空間に投げ出されてしまう。
何とかして生きて地球に帰ろうと試みる。宇宙は残酷な程美しい作品。
感想、思ったこと
オープニングから鳥肌が立ちます。立ちっぱなしです。
冒頭から12分も長回しをしてくるので宇宙空間にいるような感覚になるんです。長回しっていうのは、場面を切り替えることなくカメラをずっと回したままにする表現方法で、アルフォンソ・キュアロン監督の作品はその長回しが何かと話題になるんですよね。その宇宙空間に投げ出されたような感覚に陥ると、つい呼吸をするのを忘れてしまう。大袈裟な表現だけど、心拍数や呼吸を映画にコントロールされてしまう程の力があります。それは、主演のサンドラ・ブロックのほぼ一人芝居はもちろん、映像や音楽、演出などが圧倒的な宇宙の美しさを描いているからだと思います。 実際に宇宙に行って撮影されたんじゃないかと思うくらいです。 宇宙にいったことないので本物を知りませんけど(笑)
ただ、宇宙が好きじゃないとか興味がない人にとっては退屈な映像なのかもしれません。作品の世界に入り込めれば、貴重な映画体験ができるんですけどね。 作品のテーマは決して宇宙からの生還劇ではなく、生と死。再生の物語なのかな、と。 わかりやすいくらい生命の誕生を意識した描写があります。
この作品が公開された時、IMAX3Dで観るべき!なんて事が言われてました。 IMAX3Dでの試写会にも参加させてもらったので、その通りだなと思います。 宇宙空間の広がりや3Dを意識した演出、3Dならではの没入感があるので、Blu-rayで鑑賞をした際も、3Dで観る意味のある作品だったなと感じました。 じゃあ、家で観ても仕方がないのかと言われるとそんなことはないです。3D鑑賞の最大の弱点は3Dメガネの影響で画面が暗くなること。2Dで自宅鑑賞する時はそれがないですし、細部まで観ることができるので宇宙の美しさはむしろこっちの方がいいんじゃないかと思うほどです。
映像美などは色々な方がお話されている通りです。素晴らしいです。 そこで、個人的に注目して欲しいのがライティングと音。音楽ではなく音です。ライティングの知識はほとんどないのですが、宇宙空間での光源と言えば太陽ですよね。その太陽の光の表現がいいです。宇宙の美しさももちろんですが、この光の加減も気にして欲しいなと。
そして、音です。音楽もいいですよね。 アカデミー賞で作曲賞を受賞しているのでお墨付きです。パーカッションを使わずに鼓動を表現していたり面白いですよ。 僕も電車の中で聴いて一人緊迫感に満ちた通学をすることもありました(笑) 実は音響賞というのも受賞していて、この映画の音は面白いです。 宇宙は音を伝えるものがないんです。そのため無音を表現の一つとして使っていたり、宇宙服の中での音、そこを伝う音、移動する人の声などなど。音に対するこだわりがそこかしこから感じられるんですよ!これは、出来る限りいい環境で感じて欲しいです。テレビのスピーカーで観るよりはヘッドホンなどを使用した方が良いかも知れないです。ラスト付近で切り替わる音と空間のナチュラルな描写を気にしてみてください。
良い意味で疲れる。無駄のない90分です。
そりゃないだろ、と思うところもあるかもしれませんが、壮大な再生の物語を体感して欲しいです。
2014年04月23日 DVD/Blu-ray発売!
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