[映画の感想]『ハングリー・ハーツ』これが私のやり方。

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[映画の感想]第27回東京国際映画祭で上映された作品がついに2016年10月に劇場公開となりました。スター・ウォーズのカイロ・レンことアダム・ドライバーが主演の何とも言えない恐怖のサスペンス劇。じっくり鑑賞するのに向いているかなーと思います。怖い。

ハングリー・ハーツ

(C)Wildside 2014

目次

ハングリー・ハーツ

Hungry hearts/監督:サヴェリオ・コスタンツォ/2014年/イタリア/109分

 

劇場公開日:未定

鑑賞日:2014年10月26日 【第27回東京国際映画祭】TOHOシネマズ六本木 スクリーン2 にて

 

映画川柳

 

子育てで 分かり合えない 私たち

 

 

ざっくり、あらすじ

 

私のやり方はこうなの。

 

トイレで出会った二人の生活は出産後に変わっていく

お互いの子育てがあり、そのせいで二人の間に亀裂が入っていく作品。

 

 

感想、思ったこと

■変わってしまったもの

ニューヨークの中華料理店のトイレで出会った二人が結婚して、出産。そして子育てを巡って対立していく様子がサスペンスな雰囲気の中描かれていくんですよね。冒頭のトイレの長回しはなかなかコミカルなんですけど、話が進んで行く程に恐ろしさが増していくんですよね。母親が壊れていく様が何とも言えない空気感を作っていて、「あれ、こんな映画だったの?」といい意味で裏切られましたね。

出産までは幸せそうに二人は生活している訳です。子供が生まれてからが大変だったなんて、こんなに変わっていくなんて思ってもいなかったでしょうね。僕も思ってなかったです。楽しい感じの映画かと思ってましたよ。必ず暗転して話が展開していくんですけど、暗転する度に映画のトーンが下がっていくので、暗転すると中盤からちょっとやだなーって気持ちも抱いておりました。

妻・ミナの育て方だと子供が発育不良になってしまう。そこに口を出せば、妻を傷付けてしまう。でも……そんな葛藤をしながら迎える結末。子育ての仕方ってそれぞれ考え方が違うとは思うけど、夫婦と子供の3人で仲良く暮らしたいがための結果でああなってしまうと、もう何とも言えない切なさと悲しさがありました。ラストの美しい映像に反して、観終わった後は決していい気分ではなかったです。ああ。

出産を機に変わってしまったもの。子を想うばかりに過保護になってしまうこともありますよね、そりゃ。

 

映画祭中は映画のはしごが当たり前で、前日の疲れも重なり多少睡魔との戦いもありましたが、この作品はよかったです。

 

■アルバ・ロルヴァケルという女優

そんな映画の中で夫婦を演じるアダム・ドライバーとアルバ・ロルヴァケルの二人なのですが、アルバ・ロルヴァケルの演技がもうどうしようもなかったです。いい意味で。自分の子育てが絶対と信じる彼女が壊れていくというか狂っていく様というのが、観ているこっちをどこまで不安にさせるんだよ!っていう勢いで迫ってくるんですよ。冒頭との差がより一層その感覚を強くしているんでしょうけど、瞳から光がなくなり、半分死んでるんじゃないかと思うような演技は必見ですね。

夫・ジュード役のアダム・ドライバー、そして母親役のロベルタ・マックスウェルの三人が織りなす演技合戦に完全に心掴まれましたね。ロベルタ・マックスウェルも相当怖いです。思い出すだけで、ぞっとするような、あの目は何ですか。

ぜひ、劇場公開されて欲しいなと思います。

 

オープニングイベントでレッドカーペットを歩く姿はとても美しい方だったのに。なんていう化け物女優なんでしょうか。

 

いや、女性って怖いですね。

 

ハングリー・ハーツ

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