MCUのヒーローで今のところ一番小さいのがアントマン! 蟻と仲良しアントマン! コミカルに描かれる大きな世界で闘う小さなヒーロー映画でした。そして、今後のMCUで重要な鍵を握るとある世界観。アベンジャーズとの関わりはどうなるのでしょうか。
アントマン
[ad1]
あらすじ・解説
「アベンジャーズ」シリーズや、それに連なる「アイアンマン」「キャプテン・アメリカ」など数々のヒーロー映画を成功させているマーベルスタジオが送り出す、体長1.5センチのヒーロー「アントマン」の活躍を描いたアクション作品。仕事もクビになり、養育費が払えないため最愛の娘にも会えないスコット・ラング。そんな崖っぷちのスコットに、謎の男ハンク・ピムから意外な仕事のオファーが届く。それは、体長わずか1.5センチになることができる特殊スーツを着用し、「アントマン」になるというものだった。選択の余地がないスコットは渋々ながらもアントマンとなり、人生をやり直すための戦いに乗り出す。スコット・ラング役で「40歳の童貞男」「ウォールフラワー」のポール・ラッドが主演し、ハンク・ピム役で名優マイケル・ダグラスが共演。監督を「イエスマン “YES”は人生のパスワード」のペイトン・リードが務め、当初はメガホンも取る予定だった「ショーン・オブ・ザ・デッド」のエドガー・ライトが脚本を手がけた。
映画.com より
MCU フェーズ2、最後の作品
マーベルの映画はいつも楽しく観ています。今回の『アントマン』もマーベル・シネマティック・ユニバース(通称MCU)のうちの作品になります。これで、『アイアンマン3』から続いてきたフェーズ2とやらが終わりです。12作品目。
単発で楽しめる珍しいマーベル作品
シリーズものとして成立しはじめたせいか、MCUの作品ってそれ単体だと全体がわからないことが多くなりました。人物関係がまあまあ複雑に絡み合ってきたからですね。それが個人的にはもったいないなって思っています。一見さんお断りな感じですね。
でも、アントマンは今までの『アベンジャーズ』シリーズからは外れた新たなヒーローを描いていること、コミカルで全体的に軽めな雰囲気のおかげで、単体で楽しめる作品になっています。フェーズ2の終わりにこれはなかなか嬉しいです。
そういった意味では2014年公開(ちょうど同じ頃だ)の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と似ているのかな、と思います。今後も新しいヒーローの作品はこうして入り口的な作品として機能してほしいけど、フェーズ4以降はどうなるんですかね。
もちろん、2015年7月に公開された『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』後の話になっているので、ちゃっかりそれをいじる部分も。だから、これまで観てきているファン層の心もがっちり掴んできます。バランスがいいですね。なかなか皮肉ってくるので、ちょこちょこクスってなっちゃいました。
アベンジャーズのいる地球が舞台ということもあって『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』よりもMCU作品としての意識は高く、その繋がりが色濃く出てきます。
とはいえ、新しいヒーローの登場っていう部分とミクロな世界観で展開されるアクションの数々は映像表現として面白く、遊園地のアトラクションに乗っているかのような気持ちにさせてくれます。見やすい!
[ad1]
父と娘の物語でもある。
スコット・ラング(ポール・ラッド)とハンク・ピム博士(マイケル・ダグラス)は共に娘を持つ父親としての側面も描かれます。スコットの娘はキャシー、ピム博士の娘はホープですね。キャシー、クソかわです。
それぞれ父親に対する想いは違うのですが、同じように親子関係に問題あり。そこをどうするかを軸にしながらヒーローと父親というキャラクターをいい感じに積み上げていってくれます。
ヒーローアクション映画としての楽しさに、父と娘っていう物語の軸をちゃんと置くことでふざけていても、グッとくる展開にちゃんと戻ってこれる要素になっているんだろうなと思いました。
てか、このふざけっぷりは元々の監督だったエドガー・ライトの名残りなのかな、とも思っていたんですけど、ペイトン・リード監督も『イエスマン “YES”は人生のパスワード』撮ってるので、なんとも言えない。どっちにしてもふざけるの得意な監督っていう。
エドガー・ライトが監督してたらもっとふざけてたし、もっとシニカルなのになってとは思います。それはそれで観てみたいけど、マーベルの映画(ディズニー?)として相応しくないって判断するのもわかるような気がします。実際のところはわかりませんが。
[ad1]
個人的にはラストのスケべジジイに全部持って行かれたから、もう何も言いません。ホント、アピールしすぎです。おじいちゃん。あと、アリさんの描写がすげーので、虫苦手な人観たらアレかもしれないです。意外と可愛いけどアレかもしれないです。気持ち悪かったです。
MCU作品としての位置づけ、役割は?
アントマンは今後『アベンジャーズ』シリーズ、つまり他のヒーローとのクロスオーバー作品に登場して活躍することになっています。また、アントマンに登場する量子世界(映画のクライマックスに出てくるアレ)がアベンジャーズの運命を握る秘密が詰まっています。
そして、MCU作品のおなじみポストクレジットシーン(エンドロール後に流れるおまけ映像のこと)。見事に今後のMCU作品というかフェーズ3のスタート『キャプテン・アメリカ シビル・ウォー』へと繋がる重要な映像で、アントマンがそこに関わることを示唆しているのかも。
そして、最後にチラりと出てきた彼女の存在はどうなるのか!? 続編も楽しみになってきます。
そういえば、冒頭のシーン。今までずっと観てきた人にとっては「おお!」ってなるところだけど、知らない人にとっては「誰、このジジババ」かなって思います。でも、このあたりの設定もしっかり伏線として機能すると思うと恐ろしさすら感じるMCUです。
もちろん、知らなくても特に話に支障は出ないので安心してアントマンを観てください。
パパすごい 仲良しなんだ アリさんと
おわり
原題:Ant-Man
劇場公開日:2015年09月19日
アメリカ/2015年製作/上映時間117分
監督:ペイトン・リード
音楽:クリストフ・ベック
出演:ポール・ラッド/エヴァンジェリン・リリー/マイケル・ペーニャ/マイケル・ダグラス ほか