[映画の感想]『浅田家!』嵐・二宮和也が演じる写真家、浅田政志と家族のやさしさ

『湯を沸かすほどの熱い愛』を撮った中野量太監督の最新作、よかった。家族の描き方がやさしくて、愛おしくなる。観終わったらきっと家族に会いたくなるし、家族写真を撮りたくなる。キャストも豪華で観ていて飽きることのないイイ作品。

(C)2020「浅田家!」製作委員会

浅田家!

基本情報

劇場公開日:2020年10月02日

日本/2020年/127分/

監督:中野量太

音楽:渡邊崇

出演:二宮和也/妻夫木聡/黒木華/菅田将暉/風吹ジュン/平田満 ほか

鑑賞記録:2020年10月4日 TOHOシネマズ 池袋 スクリーン10

あらすじ・解説

様々なシチュエーションでコスプレして撮影するユニークな家族写真で注目を集めた写真家・浅田政志の実話をもとに、二宮和也と妻夫木聡の共演、「湯を沸かすほどの熱い愛」の中野量太監督のメガホンで描いた人間ドラマ。4人家族の次男坊として育ち写真家になった主人公・政志を二宮、やんちゃな弟をあたたかく見守る兄・幸宏を妻夫木が演じ、家族の“愛の絆”や“過去と今”をオリジナル要素を加えつつ描き出す。浅田家の次男・政志は、幼い頃から写真を撮ることが好きだった。写真専門学校に進学した政志は、卒業制作の被写体に家族を選び、浅田家の思い出のシーンを本人たちがコスプレして再現する写真を撮影。その作品は見事、学校長賞を受賞する。卒業後、地元でパチスロ三昧の3年間を送った後、再び写真と向き合うことを決意した政志が被写体に選んだのは、やはり家族だった。様々なシチュエーションを設定しては家族でコスプレして撮影した写真で個展を開催したところ、気に入った出版社が写真集を出版。プロの写真家として歩み始める政志だったが、全国の家族写真の撮影を引き受けるようになり、その家族ならではの写真を模索・撮影するうちに、戸惑いを感じ始める。そんなある日、東日本大震災が起こり……。

映画.com より

やさしさに溢れた、家族の物語

この映画、とにかくやさしい。こんな家族、本当にいるのかと疑いたくなるくらい。浅田政志という写真家を取り巻く人たちがいい。もちろん、本人の人柄あってこそなのだとは思うけどね。家族写真を撮っていく数々のエピソードの良さとどの家族もいい表情で写っていてニヤける。写真集欲しくなってしまった。

物語としては彼の写真家としての半生を語りながら、誰もが何かしら思うであろう東日本大震災をキーとして描いています。当時の地震とか津波の描写があるわけではないので、そこは安心して欲しいですが、瓦礫や泥だらけになった町は再現されています。もうすぐ10年になりますが、少しずつ当時のことは忘れていってるなと思います。平和ボケ。だからこそ、久しぶりに思い出して、なんか胸のあたりがきゅーって締め付けられました。

(C)2020「浅田家!」製作委員会

趣味ではありますが、同じく写真を撮る身としては、かっこいい写真、きれいな写真にばかり憧れてしまうものの、誰かのためになる写真も撮りたいなって改めて思いました。写真で誰かを笑顔にできるのであれば、それは素晴らしいことだな、と。

そして、これが事実を基に構成された物語ということを思い出すと、色々なことを考えてしまいます。うちの家族じゃここまでできないなー。

安心の主役級脇役から目が離せない

主演は嵐・二宮和也なわけですが、多くを語る必要なしにいいです。さすが、ニノ。って感じ。浅田政志本人もこういうラフな雰囲気のある、ぶっ飛んだ人当たりのよさがあるんだろうなと表情や仕草から感じさせてくれます。

そこに加えて、主演でキャスティングされてもおかしくないだろう、妻夫木聡や黒木華、そして菅田将暉といった俳優陣が脇を固めていて、安心して観れました。

(C)2020「浅田家!」製作委員会

特に菅田将暉はめっちゃいい。あんまり演じている印象のない地味めな青年の役なんだけど、震災当時の繊細であっただろう人の心情を体現していたな、と思います。気丈に振る舞うよね、そりゃ。強がってないとやってらんないよなと感じた次第です。

泣ける泣けないではなく、ぽかぽかする感じ

中野監督作品でいくと『湯を沸かすほどの熱い愛』との比較されてしまうかなと思うのです。同じように家族を描いている点も含め。そうすると「感動=泣ける」みたいな扱いを受けてしまうような気もしていて、泣けるだけが感動ではないと思うので、そこにはあまり期待をせずに観てほしいというのが正直なところです。

とは言っても間違いなくやさしい気持ちになれるし、ぽかぽかする感じのある作品です。改めて家族を大切にしたくなるかと。そして、二宮和也と菅田将暉をじっくり楽しめます。秋っぽい、いい映画。

おわり