[映画の感想]アカデミー賞で作品賞にノミネートされていた作品で、公開を心待ちにしていました。やっとですよ。主演のシアーシャ・ローナンの田舎可愛い感じと物語が相まって、思っていた以上に心に響いてくる作品でした。
ブルックリン
Brooklyn/監督:ジョン・クローリー/2015年/アイルランド・イギリス・カナダ/112分
劇場公開日:2016年07月01日劇場公開 公式サイト
映画川柳
決めたんだ ここがわたしの 生きる場所
ざっくり、あらすじ
ブルックリンに来ました。
アイルランドで暮らすエイリシュ(シアーシャ・ローナン)は、将来のためと一人ニューヨークはブルックリンへと渡る。そこで出会う青年トニー(エモリー・コーエン)と仲良くなっていく姿を描いた作品。
感想、思ったこと
今の自分に重なる部分もあってか、思っていた以上に響いてくる映画でした。そして、主人公エイリシュが出会うトニーがイケメン過ぎて何もかも奪っていく感じがやばいですね。
■アイルランドからニューヨークへ
1950年代という戦後にアイルランドからニューヨークへ出てきた一人の女性の物語です。そして、この家族と離れ、一人で暮らすなんていうのは春先になると街に溢れかえるような状況で、多くの人が自分と重ねあわせられるような普遍的なお話でもあると思います。
この戦後の1950年代ってのが『キャロル』でも描かれていた時代で、主人公は面白いことにどちらもデパートの店員をしているというね。
アイルランドからニューヨークへ。華やかなことが待っていそうな、別の世界であることに間違いはないけれど、その時代に生きるということは、どこか肩身の狭い想いをしながら、身の丈にあった生活をすることが自然と強いられていたのだなーと感じました。
都会に出たからといって、それがすべてプラスになるとは限らないんですよね。
■エモリー・コーエンというイケメン
そして、話は大きく変わり、エイリシュ(シアーシャ・ローナン)が出会う青年トニーの話をします。こいつがまた腹が立つくらいにイケメンなんですよ。
演じているエモリー・コーエン自体、ちょっと童顔な感じの甘い顔をしているので、多分母性本能くすぐっちゃうような感じなんですよ。ちょっと頼りないような感じもあるんだけど、少年のようなあどけない顔でピュアに話す姿と彼女想いの紳士感のギャップがすっげーかっこよく見えるんですよね。
決して、何でもスマートにこなすようなタイプのイケメンではないにも関わらず、彼の素直さになんか心もっていかれるんですよね。
だからこそ、終盤のシーンがなんか切なく息苦しさを感じさせてくるんですよ。エイリシュはどんな選択をするんだろうって。
夜間の簿記学校へ通うエイリシュを待つシーンは誰もが彼に惚れてしまうのではないと思うほど、いいシーンでした。私も誰かの出待ちをしようかね(ストーカーと訴えられる)
このエモリー・コーエンという俳優はまだまだ役者歴がそんなにないようなので、これから注目されていくこと間違いないと思うので要チェックなんじゃないかと思います。
そして、最近良く出てくるドーナル・グリーソンも出ていました。なんだろうね、何か観ると落ち着くよね。
実際、自分もこの4月から初めての一人暮らしをしていて実家とは約1000キロくらい離れています。そうすると、決してこの物語が他人事とは思えなくなってしまうんですよね。
いつ、この主人公エイリシュと同じように選択を迫られるか、なんて考えると今の自分には強い意思を持って選ぶことはできないですけど、うーん。
「働くことは生きること」と考えると今の生活を選ぶことになるのだけど、そう単純な話ではないですしね。そのうち、答えを見つけるのか、それとも意思が固まるのかそれはわからないですけど、選択がくるのは間違いないのだろうなーと思っています。
もう最終的に映画の話じゃなくなってますが、『ブルックリン』は観る人が観れば色々と考えることになりそうないい映画でした。好きです。