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[映画の感想]『パシフィック・リム:アップ・ライジング』前作の良さを噛みしめる。

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[映画の感想]ギレルモ・デル・トロ監督が撮った『パシフィック・リム』からもうすぐ5年。ついに続編が公開。監督も出演もガラッと変わり、イェーガーと呼ばれるロボットが戦うという世界観をよくも悪くもアップデートした作品。正直言って、観たかったのはこういうのではない。

(C)Legendary Pictures/Universal Pictures.

目次

パシフィック・リム アップライジング

Pacific Rim Uprising/監督:スティーブン・S・デナイト/2018年/アメリカ/111分

劇場公開日:2018年04月13日劇場公開

映画川柳

悲しいよ ちょい役扱い 真剣佑

ざっくり、あらすじ

前作から10年経ちました。

巨大ロボット・イェーガーとKAIJUが死闘を繰り広げた『パシフィック・リム』から10年の時が流れた世界。再び世界に危機が訪れる。ジョン・ボイエガ演じるジェイクを中心に訓練生をも巻き込み、ロボットバトルが繰り広げられる作品。


感想、思ったこと

前作のような胸熱な映像が見れるのかな、と思いきや期待を超えてこない戦いの数々。やたらとハイテク化しすぎた感じも何か違うような感じ。訓練生たちは皆、いい感じだった。うん。出演者は悪くない。

■新しい時代のパシリム

前作から10年も経てば、そりゃ色々なものがアップデートされるよね。アナログ感が残っていて、どうにもスマートじゃないのがイェーガーのよさ、パシリムのよさだったのかと改めて感じた。

だから、前作の良さに期待していた見としては、非常に残念感があった。

これはあくまでも新しい時代のパシリムで続編でありながらも、別解釈を与えているものなのだろう、と。人間も馬鹿じゃない。怪獣にいつまでもやられてしまうような状況でいるわけがないよね。どんどん改良していいもの作るよ。そりゃ。
その中で感じたのは、前作にもあったエヴァ感がより一層強くなったところ。ぬるぬる動く新劇場版のようなスタイリッシュな動きとフォルム。あと、本編にも出てくるガンダムとかタイバニとかその辺りをこう今一度取り入れてるんじゃなかろうか。っていうか、もうセイバー・アテナ。かっこいいんだよ。こういうの好きだもん。
訓練生ということで子どもたちがイェーガーに搭乗するというところも、エヴァな香りがするのは私だけかもしれない。

あと、つい期待してしまったことがあったんだよ。クライマックスで敵がより一層強くなった後に、「これは、まさか、合体……」と特撮戦隊ヒーローものでよくある、アレがパシリムに!?と思ってしまったのだが、実現せず。というかそれはパシリムじゃない。パワーレンジャーだ。

とりあえず、観たかった映像はここになかった。全体的にVFXも雑なように感じてしまった。これは日本でもなければ、東京でも富士山でもない。やめてくれ。富士山絡めてくるのもやっぱり、エヴァ?(しつこい)

新しいキャラクターがほとんどだし、最低限の世界観説明はあるから、ここからパシリム初めて観るっていうのでも全然ありだと思う。むしろ、こっちが好きっていう人も多くいると思う。間違いなく。

■訓練生たちに注目したい、のに

主演は『スター・ウォーズ』の新シリーズでも活躍中のジョン・ボイエガで英雄を父に持つがゆえの葛藤も表現しつつ、子どもたちを引っ張る兄貴分としてもいい感じ。ちょっと、いや、結構うざいランバートを演じるスコット・イーストウッド(あのクリント・イーストウッドの息子)との絡みも好き。

けど、何よりも好きなのは訓練生たち。アマーラ、リョーイチ、ヴィクトリア、ジナイ(?)、スレシュ(?)、ごめん後は名前覚えてない。しかもハテナ付けちゃった。
登場からそのマッチョ具合をアピールしてくるジナイ(?)とその陰でこっそり多分、ちはやふる(かるた)してる真剣佑。そして、アマーラといがみ合うヴィク。3人ともそこまで出番が多いわけでもないのに、個人的には好きで、もっと見たかったんだよ。

訓練生たちの物語が観たかったよ。ここの掘り下げがほとんどなくて、彼らが最後に頑張る姿に何も感じることができないし、身を犠牲にして闘ってるのに、なんにも生まれないってどういうことだよ。Netflixとかでドラマやらんかね。それこそエヴァになっちゃうけど。

ここでもやっぱり前作のキャラクターの描き方やそもそも魅力ってあったなーと思ってみたり。

■やっぱり、あのテーマは偉大

今作の音楽は前作のラミン・ジャワディに代わって、ローン・バルフェ。あのテーマは聴けないかと思ったけど、リミックスされたのが大事な展開の中でしっかり流れます。いやー興奮しますね。このテーマがあってこそのパシリム。うんうん。

他がよくないかというとそういう訳じゃなくて、スコアはテンションあがるし、聴かせるところはちゃんと抑えつつも、ビートで映画のリズムを作ってくれていて、見やすかった。あのテーマのおかげで、というかせいで、新しく印象に残るものはなかった。残念。

■またギレルモ・デル・トロ監督に撮って欲しい

『シェイプ・オブ・ウォーター』という傑作を撮影するために、泣く泣くパシリムアプライを陰からサポートしたんだと思ってる。彼の怪獣、異型のものへの愛をまた、この世界観の中で爆発させて欲しい。「こういうの観たかったでしょ?」っていうカットが多い、個人的には相性のいい監督なので、本当に切に願います。
3作目、どういう構想にするのかわからないけど、きっとまたあるでしょう。期待。

おわり

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