[映画の感想]世界中で読まれている名作「星の王子さま」のその後を描いた作品『リトルプリンス 星の王子さまと私』一足先に鑑賞いたしました。誰もが経験する幼少期を現代的に描きつつ、星の王子さまの物語と絡み合っていくファンタジックで素敵な映画でした。吹替版も観ました!
リトルプリンス 星の王子さまと私
The Little Prince/監督:マーク・オズボーン/2014年/フランス/107分
劇場公開日:2015年11月21日劇場公開 公式サイト
映画川柳
星たちの 煌めきの中 生きるもの
予告編
ざっくり、あらすじ
星の王子さまはどうなったの?
母親に設計された人生を生きる9歳の少女(CV.マッケンジー・フォイ)は引っ越した先の隣に住む一人のおじいさん(CV.ジェフ・ブリッジス)と出会う。そして彼から「星の王子さま」の物語を聞き、少女が変わっていく姿を描いた作品。
感想、思ったこと
■大人も子供も楽しめるファンタジー作品
一足先に鑑賞させていただいたのですが、グッときました。失礼ながらあまり、期待していなかったということもあってか、「こんなにも心に染み入る作品だったのか」と本当に感動しました。
「星の王子さま」のその後の物語と言っていますが、星の王子さまもしっかり描かれた上でのその後のお話でした。もうちょっと踏み込んで言うと、「星の王子さま」を現代劇で包んだ作品です。
9歳の少女が主人公なので、彼女がいる現代が物語の中心で、彼女が出会ったおじいさんが「星の王子さま」の物語を語りながら、と2つの物語が絡みながら進んでいくんですよね。それが最終的に絡み合ってどうなるのかっていう感じです。
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ビジュアル的に見れば、子供向けに見えるかもしれないですけど、この作品が伝えようとしていることは大人へのメッセージなんですよね。子供はファンタジー な少女の冒険物語が楽しめますし、大人はそこに込められたメッセージから色々なことが考えられます。なので、親子で揃って楽しめる作品です。
原作である「星の王子さま」に込められているメッセージがそのまま映像化されているので、原作を知っている人はより楽しめるでしょうし、知らなかったとしても十分に楽しめること間違いないですね。
自分は恥ずかしながら原作を読んだことがない状態での鑑賞だったのですが、「星の王子さまってこういう話だったのか」と原作に興味が持てました。
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■2つのアニメーションと音楽
この作品の特徴はアニメーションが2つあるっていうことで、それが非常に効果的でした。
3DCGの今となっては見慣れたアニメーションとストップモーションを使った手作り感のあるアニメーションの2つですね。
9歳の少女が住んでいる現代を描いているのが3DCGで、星の王子さまの世界をストップモーションで描いています。
現代を極端でわかりやすい、画一的な描き方をしているのに対して、星の王子さまをファンタジックで手触りのよさを感じる質感で描いているので、すんなりとどちらの世界にも入り込めるというのが素敵でした。
3DCGの方もハイクオリティで繊維の質までわかるような細かさには驚きました。いやはや技術力って怖いです。
そして、そこにハンス・ジマーのスコアが相まって、とんでもないことになっているのです。
特に”Equation”という曲が流れるシーンがあるのですが、ここすごく好きでした。描かれている内容自体は、現代社会のちょっと息苦しくなるようなものなのですが、よかったです。この曲と映像の絡み合いは素晴らしかったです。
大人になってしまうと忘れてしまうことって色々あると思います。
大人になると見えなくなることもあるよなって感じました。子供のころのように思うことは、もうできないのかも知れません。でも、そういうことがあるって思うことができるだけでも世界の見え方は変わってくるのかな、と観ながら考えていました。
そんなことに気付かせてくれる優しい映画です。お話としては小難しいことは一切ないくらい、わかりやすくなっているので劇場で「星の王子さま」の世界観に浸ってみてください。