どうも、映画おバカ・manabu( @mnbspark )です。韓国映画の名匠パク・チャヌク監督最新作『しあわせな選択』観ました。AIによるリストラの恐怖という現代にブッ刺さるテーマを扱ったブラックコメディ。「しあわせな選択」ってなんなんだ。冴えないおっさんイ・ビョンホンの運命やいかに。

しあわせな選択
● かっこよくないイ・ビョンホンの演技
● 「仕方ない」で進む、狂気の就活
● 作り物の世界に感じるほどに作り込まれた画面
原題:No Other Choice
劇場公開日:2026年3月6日
韓国/2025年/139分/PG12
監督:パク・チャヌク
音楽:チョ・ヨンウク
出演:イ・ビョンホン/ソン・イェジン/パク・ヒスン ほか
あらすじ・解説
パク・チャヌク監督が『JSA』以来21年ぶりにイ・ビョンホンとタッグを組んだサスペンスドラマ! 妻役に『愛の不時着』のソン・イェジンを迎え、ベネチアやトロント映画祭でも話題をさらった超注目作です。
物語の主人公は、製紙会社を突然リストラされたおじさん・マンス。再就職に苦戦する彼は、ある企業に目をつけますが採用を断られてしまいます。そこで彼が下した決断は「人員に空きがないなら自分で作ればいい」という狂気の沙汰!
製紙業界で描かれる情けないイ・ビョンホンが哀しい
今作、リストラされて理由のわからん思考で殺人を犯していくのが、イ・ビョンホン。普段のクールでアクションとかこなしちゃうかっこいいイメージなのに、「哀愁たっぷりおじさん」を見事に熱演しています。なぜ、彼はここまで追い込まれてしまうのか、狂ってしまうのか。イ・ビョンホンの低空飛行演技がハマってました。
いつものイ・ビョンホンならもっとスマートに殺人しちゃうもんね……。
そして哀しいかな、物語の舞台が「製紙業」。AIに仕事を奪われる!と騒ぐ以前に、そもそもペーパーレス化ですでにゴリゴリに縮小していそうな産業にAIの波が押し寄せるという苦しみ。しかも、再生紙のことを考えると、リストラされてまた働いて……資本主義社会に生きる人間そのものを揶揄ってる?性格悪いぞ。
そんな崖っぷちの状況で右往左往する彼の姿って、実は明日は我が身のリアリティなのかもしれないなあなんて。
“変態的映像”の生みの親、パク・チャヌク
パク・チャヌク監督、韓国映画界を牽引する世界的巨匠なわけです。今回は過激な描写がなく、過去作と比べるとだいぶマイルドに見えるんですがいじわるさは相変わらずという。
『オールド・ボーイ』や『お嬢さん』、『別れる決心』などの過去作を知っている方なら、今回の「変態的な画面作り」にも大納得ですよね。
エロいシーンもグロいシーンも、なんてことないシーンも変態的に美しく撮ってしまうところです。壁紙の柄から小道具、役者の瞬きひとつに至るまで、狂気を感じるほど計算しているのだろうと思います。
人間のドロドロした欲望や、今回のようなブラックな笑い、いじわるさは多分現在の映画界でもトップレベルなのでは。今回の『しあわせな選択』に漂う、皮肉っぷりも、監督ならではの持ち味ということです。
万人に勧められるかと言われると……
脚本や演出に関しては、社会風刺やメタファー(暗喩)が画面の端々に仕掛けられていて、それを読み解く「知的パズル」としては間違いなく秀逸です。頭では面白いんだけど、ぶっちゃけ心は動かなかったのも事実。間の抜けたスラップスティックな要素とブラックな笑いのバランスは絶妙。
ワーッと盛り上がれるような、わかりやすいエンタメ作品では決してないです。ドタバタしながら殺人を犯すのですが、テンポがいいわけじゃないので、ノレそうでノレない感じ。苦手な人、肩透かし食らう方もいるのでは、と思います。
次ページでネタバレありの解説しています。とはいっても解説するほど難解な部分はないのですが。
関連作品はサブスクでチェック!
過去の名作や監督・出演者の関連作品もチェックすると、映画の面白さは倍増。
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※次ページではネタバレ全開で書いています。ここから先は、鑑賞後の方、ネタバレOKの方のみお進みください。

