[映画の感想]『アメリカン・スナイパー』や『ジャージー・ボーイズ』に続いてクリント・イーストウッド監督が描くのはハドソン川に不時着した飛行機の話。実際にあった航空事故を機長に焦点を当てて語っていくその内容はたった96分とは思えない濃厚なプロフェッショナルの映画でした。
ハドソン川の奇跡
Sully/監督:クリント・イーストウッド/2016年/アメリカ/96分
劇場公開日:2016年09月24日劇場公開 公式サイト
映画川柳
誇り持つ 仕事にかける 熱いもの
ざっくり、あらすじ
ハドソン川に飛行機を不時着させる。
2009年、ニューヨークで実際にあった飛行機事故をもとにした話。
ハドソン川に不時着をさせたサリー機長(トム・ハンクス)のその判断は果たして正しいものだったのか、とひたすら問うていく作品。
感想、思ったこと
最近、イーストウッド監督の映画が毎年観れてすごく嬉しいんですけど、こんなハイペースでおじいちゃんお仕事してて大丈夫なのかな、って少し心配になります。まだまだイーストウッド監督には前線で活躍していただきたいものです。
今作はそんなイーストウッド監督とトム・ハンクスという映画界でも相当強力なタッグが組まれており、安心感が半端ない中での鑑賞になりました。本当に安定していい作品を世に出してくれてありがとうです。
■プロのお仕事
もちろん、不時着して乗っていた人たちが救出されていく様子は安堵感もあり、感動します。でも、大袈裟な感動シーンにはなってません。それはサリー機長に焦点を当てて描いていて、彼の落ち着かない姿や先を見据えている眼差しなどがあるからで、こればかりはトム・ハンクスっていう名優の力でもあるよなと思わざるを得ないですね。
事故があった、乗客が助かった。それで普通はおっけーかなって思うんですけど、この映画はそんな乗客を救った彼が執拗に調査を受けるという映画です。だから、感動は「よかった」と浅いところで終わらないのかなって思います。
コンピューターのシミュレートと人間の判断を比較して、何で空港に戻らなかったのか、不時着させたんだと責められるわけです。みんな救ったのに、まるで悪者かのように。
結果として、彼の判断はどうだったかは映画を観て欲しいんですけど、プロとして仕事に誇りを持っているからこそ、危険であるとわかっている不時着を短い時間の中で決断することができたんだろうと思うとプロ意識ってすごいものですよね。
イーストウッド監督もトム・ハンクスも映画に詳しくない人だって名前くらいは聞いたことのある有名なすごい人ってイメージがあるかなと思います。どちらも映画業界でプロとして、ずっと作品を作り続けてる人です。プロがプロのお仕事をガチで描いた映画ってことですね。いやはや脱帽です。
正直、96分はあっさり塩味かなって思ってたんですよ。でも、観てみるとダシの効いた深みのある映画だったという。これがイーストウッド監督の力なんだろうなー。
さてさて、プロ意識を持って自分の仕事に誇りを持てたらなーと思います。
就活の時になんだか、こんな話聞かされたなーなんて思い出しながら、さようなら。
読んでくれて、ありがとうございます。