[映画の感想]『THE GUILTY/ギルティ』想像力が試される、新感覚サスペンス。

[映画の感想]緊急通報司令室にかかってきた電話の音声だけを頼りに誘拐事件が展開していく、異色のワンシチュエーションサスペンス。とにかくアイディアに負けた。これだけの要素でここまで面白く見せることができるのか、と驚きいっぱいの作品。本当に電話の向こう側はありません。想像するしかありません。

THEGUILTY

(C)2018 NORDISK FILM PRODUCTION A/S

THE GUILTY/ギルティ

Den skyldige/監督:グスタフ・モーラー/2018年/デンマーク/88分

劇場公開日:2018年00月00日劇場公開

映画川柳

思考さえ 音声ならば 操れる

ざっくり、あらすじ

誘拐されてるの、わたし。

緊急通報司令室に勤務するアスガーは、今誘拐されているという女性からの電話を受ける。
電話から聞こえる車の音、息づかいなどの音声だけを頼りに事件解決に奔走する様を描いた作品。



感想、思ったこと

まさか、電話の音声だけで映画1本が成り立ってしまうとは思わず、これは面白かった。電話が鍵を握って、話が展開する作品は過去にも『フォーン・ブース』とか『セルラー』とかあったけど、それとはまた違う。電話をかけている通報者が一切現れず、観客の想像力で作品が完成するというもの。88分、ひたすら想像し続けるせいで疲れる。

■ワン・シチュエーションと思い込み

とある女性からの1本の通報からアスガーの長い夜がはじまるわけなんだけど、ここから観客の想像力に罠が仕掛けられる。これがすごい上手いなって思ってしまった。どうやら女性は誘拐されているらしい、家には子供がいて、子供に電話している振りをしながら通報しているみたい。やばいじゃんって普通に思うわけです。

アスガーと通報されている音声しかわからないから、想像は監督の意図通り誘導されていくと思う。
つい先日、「行動経済学まんが ヘンテコノミクス」を読んだんだけど、その中にあった<代表性ヒューリスティック>と一緒なのかなって思ったり思わなかったり。心理学も行動経済学も全くもって専門ではないので、語れませんが、要は思い込み。

ジェームズ・ワン監督のスリラー映画『ソウ』が面白い(自分が面白いと思う)のも、思い込みだと思っていてワンシチュエーションには必要不可欠な要素なのかなって。「ここはこういう場所」「これはこういうもの」って人が思っていることを裏切るから作品にひねりが生まれて驚きを与えて、面白さを感じさせてくれる。そんな気がする。

王道のベタベタなストーリーは「こうやって話は進んでいく」だろうっていう思い込みで気持ちよさがあるのかもしれないけど。

■まとめると映画館で集中して、観てってこと

ということで、最後に伝えたいのは「映画館で集中」して欲しいということ。あまり公開劇場が多くはないけれど、できる限り映画館で観て欲しいなーって思う。ながら見には向かない作品かなって思う。

そして、余韻しかないクライマックスからラストにかけて、タイトルである『THE GUILTY/ギルティ』=有罪という意味について考えさせてくる、深みのある映画。

おわり

THEGUILTY