Netflix(ネットフリックス)オリジナルの映画で、Twitterでもチラッと話題になっていたので観てみました! ありそうでなかった(気がする)3人の関係性を描いた青春物語。結構、普通に見入ってしまいました。代筆から生まれる恋と友情の行く末はどこへ向かうんだ!
ハーフ・オブ・イット 面白いのはこれから
鑑賞記録:2020年05月04日/Netflix
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あらすじ・解説
田舎町で暮らす内気な中国系アメリカ人・エリーは学校に馴染めずも課題代行をしながら生活していた。ある日、男の子に手紙の代筆を頼まれる。一度は断るものの、お金が必要ということもあり引き受けることに。彼が好きになった女の子と手紙のやり取りをしているうちに気付く、自分の恋心。友情と恋愛と絡み合う3人の関係を描いた異色の青春映画。台湾系アメリカ人の女性監督アリス・ウーの作品。
これは実はLGBT映画である
先日、おすすめLGBT映画を紹介したばかりなのですが、この作品もジャンル分けするのであればLGBT映画になると思います。実際、そうカテゴライズされてます。パッと見は普通にストレート系っぽいですけどね。
主人公の女の子が、男の子に手紙の代筆を頼まれて、その過程で同じ女の子を好きになってしまうというのが、ざっくりとしたあらすじです。
映画の中で同性愛の友達が出てくる場合ってたいてい都合のいいよき理解者のようなお悩み相談室みたいな立ち位置であることが多いと思います。この作品でも一見そんな風に見えてしまうのですが、踏み込んでくれました。そういった立ち位置の人であっても、思い悩み、葛藤があるんだよっていう。
こういう視点の映画ってありそうでなかったんじゃないかなって思います。
普遍的なことも視点が変わると面白い
「恋する友達を応援していたら、同じ人を好きになっていた」っていう話はありふれていると思うんですよ。そこに現代的なちょっとした視点の変化で、こうやって面白くなるんだなーって発見でもありました。
映画的にはきっともっと面白くする演出があったと思うし、ドラマチックに展開させることもできたんじゃないかなって思う部分もあるわけです。途中の音楽なんかは大事なシーン風で終わってしまったようにも感じます。
ただ、もつれる3人の関係ってのは観ていてきゅうっとさせられる部分があって、それぞれが進んでいく先もいいよね。これでよかったんだろう。
好きになられる女の子・アスターについては好感が持てて、すごい、彼女。よく言った、決断したと心掴まれました。教会が出てくるのもアメリカならではですが、神はどう思うんだろう。
なんだかんだでラストが好きすぎです。勢いでこうして記事を書いている次第ではあります。
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監督、俳優陣含め今後も注目したい
どうやら監督のアリス・ウーは十数年ぶりに長編映画を撮ったみたいなのですが、今後もこういった素朴イイ映画を撮って欲しいなーって思います。監督自身がレズビアンであるとのことで、2005年に公開した前作の『素顔の私を見つめて…』(原題:Saving Face)もLGBT映画らしいです。ちょっと気になります。
主演のリア・ルイス(Leah Lewis)も垢抜けない田舎娘感あってよかったです。だんだん親しみ湧いてくる感じと高畑充希感があって、好印象です。あとは、筋肉バカな不器用男子が似合っていたダニエル・ディーマー(Daniel Diemer)も色々出てほしいなあと思います。
タイトル通り、これから面白くなっていく! っていうラストがよかったです。人生は続いていく、そんな余韻を残してくれるので観終わったあとも何だか心地よいですね。
おわり
原題:The Half of It
劇場公開日:2020年05月01日(Netflix配信開始)
アメリカ/2020年/上映時間104分
監督:アリス・ウー
音楽:アントン・サンコー
出演:リア・ルイス/ダニエル・ディーマー/アレクシス・レミール ほか