[映画の感想]『トラッシュ! この街が輝く日まで』ゴミ山で見つけた正しさ。 B+

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 trash

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トラッシュ! この街が輝く日まで

Trash/監督:スティーブン・ダルドリー/2014年/イギリス/114分

 

劇場公開日:2015年01月09日劇場公開 公式サイト

鑑賞日:2015年01月14日 TOHOシネマズ船橋 スクリーン8 にて

 

映画川柳

 

正しいと 僕らが思う だから行く

 

予告編

 

 

ざっくり、あらすじ

 

ゴミ山で財布を見つけました。

 

警察が探す財布をゴミ山で見つけたラファエルが、

その財布に隠された秘密を仲間と共に解き明かしていく作品。

 

感想、思ったこと

■軽快なアクションと音楽

『愛を読むひと』、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』などのスティーブン・ダルドリー監督と『ノッティングヒルの恋人』や『戦火の馬』を手がけた脚本のリチャード・カーティスということで映画ファンからすると期待のタッグという感じな訳です。リチャード・カーティスは昨年『アバウト・タイム 〜愛おしい時間について〜』という作品を見せてくれた監督としても有名ですが、脚本家としても多くの作品を手がけているんですよね。いやーナイスコンビ。よかったです。

そんな二人がタッグを組んだ今作は軽快なアクションが音楽に乗せてテンポよく進んでいく作品になってます。ゴミ山で子供たちが偶然見つけた財布が原因で命の危険にさらされながらも、その謎に挑んでいく冒険にハラハラドキドキさせられました。まるでサルのようにスラム街を飛び回る姿や駅での逃走劇などなど、子供たちの動きが本当に楽しかったです。同日に観た『96時間 レクイエム』のリーアム・ニーソンのアクションのおかげか際立って身のこなしが軽く、無理のないスムーズなアクションだったなーと思います。

ゴミ山で育った少年が活躍するという点で『スラムドッグ$ミリオネア』と比べられることがあるみたいですが、これはインドが舞台ではなく、ブラジルが舞台です。どちらもイギリスの映画という点では一緒なんですけどね。

ブラジルと言われるとワールドカップが開催されたり、オリンピックが控えているなどの世界的イベントはもちろん、BRICsと呼ばれるなど経済発展の面でも近年注目されている国だと思います。ワールドカップの開催の時もそうでしたが、色々と問題も抱えていて、その一部をこの映画では垣間見ることができます。原作はリオデジャネイロではないみたいですけどね。

そんなブラジルのラテンなノリが音楽に現れていて、ヒップホップを中心に走り回る子供たちを彩っていました。民族楽器のようなパーカッションの音も非常に心地よかったですね。謎解き冒険映画なので、スリリングな部分ももちろんあって、そのあたりの煽りも好きでした。

 

正直、謎解き要素はそこまで期待できないかなと思います。一緒に考えていくというようなタイプではないですし、真相は冒頭の方から気付く人も多いのかなと思います。ですが、そこが作品の軸ではないので安心して楽しんでほしいなと思います。ゴミ山で育った少年たちだからこそ、という部分もあるので上手いなーと思いました。

 

■素人の子供たちとルーニー・マーラ

驚いたのは主演の子供たちが演技経験のない素人の子供たちだということ。その辺りが、作品にリアリティをもたらすのかなーとも思うほどゴミ山の子供たちを上手く演じていました。聞きなれないポルトガル語っていうのもポイントなのかも知れません。いやー将来大物になるかも知れませんね(笑)

そこに紅一点と言ってもいいくらい、花を添えているのがルーニー・マーラ。きっと、彼女がドラゴン・タトゥーの女だと知ったら、子供たちはさぞ口をあんぐりさせるんだろうな、なんていうことを思いながら見てましたが、静かに存在感を示すあたりさすがだなーと思いました。神父役のマーティン・シーンもいい味出してました。メガネに粘土みたいなのくっついていて、壊れたものを直しながら使っているのかな、と細かいところへのこだわりも感じられるというか、何だろうと気になってしまって、セリフが入ってこなかったです(笑)

神父という役柄だけあって、セリフに重みがあってどれも聞き逃せないですよ。「出エジプト」と子供たちの行動を例えていたのも、なるほどなと思わされました。

 

ファンタジックなよく出来た話ですが、わかりやすい作品からのメッセージにも考えさせられるものがありました。

 

 

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