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[映画の感想]『不屈の男 アンブロークン』描かれていない映画の向こう側

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[映画の感想]女優アンジェリーナ・ジョリーが監督を務めた、第2次世界大戦中の日本軍による捕虜暴行を描いた問題作です。試写会で一足先に観てきたのですが、なかなかの衝撃でした。なかなか日本公開が決まらなかったのもわかりますが、日本人だからこそ観たほうがいいのかな、と感じました。

不屈の男 アンブロークン

(c)2014 UNIVERSAL STUDIOS

 

目次

不屈の男 アンブロークン

Unbroken/監督:アンジェリーナ・ジョリー/2014年/アメリカ/137分

 

劇場公開日:2016年02月06日劇場公開(PG12) 公式サイト

 

映画川柳

 

描くべき 大事なことは 描かない

 

ざっくり、あらすじ

 

何があっても、生きてやる

 

オリンピック選手だったルイ・ザンペリーニ(ジャック・オコンネル)は第2次世界大戦ではアメリカ空軍として戦地へ赴いていた。ある時、日本軍の捕虜となってしまい、ひどい暴行を受けながらも生き抜く姿を描いた作品。

 

感想、思ったこと

日本公開までに色々と言われていた作品なので、どんなものかと期待と不安が入り交じる中で観たんですけど、思っていた以上でした。個人的にはアリだな、とは思います。よくぞまぁここまで描いたなーとアンジェリーナ・ジョリーが怖くなりました。

■描かれるべきことを描いていない。

この作品は、ルイ・ザンペリーニ本人が自身の経験を書いたノンフィクションを原作としている映画なので、その生涯を2時間ちょっとで描くのは無理があるとは思います。それゆえに、日本軍による暴行ばかりが目に付くことになっているのは仕方ないとはいえ、もったいないなーと思いました。そりゃ賛否両論分かれますよ。

内容としては、オリンピック選手として有望株だったルイ・ザンペリーニ(ジャック・オコンネル)が空軍として活躍していくのですが、海を漂流するはめになった上に、日本軍に捕まり、拷問を受けるという感じです。
後半1時間くらいがずっと日本軍による暴行、暴行、暴行なんですよ。こりゃ観ているこっちは辛いです。しかも、全然関係ない世界ならともかく、同じ日本人が行ってきた行為だっていうのだから、他人事としては観れないですよね。

執拗にルイを虐げる日本軍のワタナベ伍長を演じているのがミュージシャンとして活躍しているMIYAVIなんですけど、もうねー嫌いです。嫌いになります。実際に彼がそういう人じゃないってわかっていても、映画の中の彼は嫌いです。クソ野郎です。
そういう感情にさせるっていうのはすごいことだと思いますよ。日本人をアメリカ軍に感情移入させてるんですから。日本は日本でアメリカに苦しめられたという事実があるのだから、もう何が何だかわからない気持ちです。

 

と、まあ、この作品で描かれているのは「拷問」でしかないんですよ。でも、本当に描くべきことはその先にあることだったはずです。映画の最後の最後にそれが出てくるんですけど、これがなかったらもう気分悪いままでした。
希望を言うならば、この大事な部分をもっともっと描くべきであって、それによる感動をいくらでも演出できるはずなんですよ。それをやらなかったっていうのがいいんだか、悪いんだか……。

ここにアンジェリーナ・ジョリーの想いがあるんでしょうね。

 

■若手注目俳優たちの共演

この映画の面白いところの一つに有名な俳優が全然出演していないっていう点があります。映画好きな人とかからすれば充分名の知れた人たちかも知れないですけどね。アンジェリーナ・ジョリーの旦那、ブラッド・ピットは出ていません。

主人公はジャック・オコンネルという25歳のあどけない表情が特徴のイケメンです。彼は幼い顔つきであるがゆえにキリッと力んだ表情をするとそのギャップに心を掴まれるといった武器を持っています。『ベルファスト71』や『名もなき塀の中の王』といった作品で話題にもなっているので合わせて観てみるといいかも知れないです。

それから、『スター・ウォーズ』最新作にも出演しているドーナル・グリーソンも出演していますし、『PAN ネバーランド、夢の始まり』でフックを演じていたギャレット・ヘドランドというイケメンだらけなキャスティングなんです。
そして、みんな脱ぐんですよね。上裸です。女性陣は目の保養に持ってこいかも知れませんが、この肉体美が役作りによってどんどん貧相になっていくのは痛々しさを増やしていくので辛いものです。お気をつけて。

 

俳優陣がそこまで有名人ではないのですが、制作者陣は強力な布陣というのがいいですね。脚本を担当しているのがコーエン兄弟です。最近だと『ブリッジ・オブ・スパイ』も書いているのですが、安定です。安心感があります。うんうん。
撮影がロジャー・ディーキンスです。『007 スカイフォール』でその美しい画作りが作品の質を高めていましたが、この映画でも光をうまく捉えた印象的な映像を見せてくれています。
そして、音楽は今売れに売れているアレクサンドラ・デスプラ。もうこの音楽がねー繊細なんですよ。それでいて力強くルイを支えていくドラマティックさも忘れていない感じ、ありがとうございます。ごちそうさまでした。

 

と、色々書いてきましたが気になる方は観てください。戦後70年も過ぎた今でもまだまだ戦争のことはわからないことが多いです。こうやって、映画になることでそれを知るきっかけにもなるし、そこから何を学べばいいのか気付くこともできるというものです。

今回の『不屈の男 アンブロークン』でも、大事なことを受け取りました。最後の最後まで映画を見逃さないようにして欲しいな、と思います。

 

予告編

 

 

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不屈の男 アンブロークン

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