どうも、映画おバカ・manabu( @mnbspark )です。第33回東京国際映画祭のオープニング作品として上映された『アンダードッグ』観てきました! 安藤サクラがボクサーを演じた『百円の恋』の監督、脚本家タッグ再び作品。4時間半という大作にも関わらず、時間忘れてのめり込んじゃいました。
そもそもは、どうやら配信のドラマ作品として作られているようですが、生々しいボクサーたちの生き様はスクリーンで観る価値ありなので、どうか前後編を映画館で楽しんで欲しいです。痛いのが苦手な人は配信でもいいかもしれない……。
アンダードッグ 前編・後編
劇場公開日:2020年11月27日
日本/2020年/分(前編131分・後編分)/R15+
監督:武正晴
音楽:海田庄吾
出演:森山未來/北村匠海/勝地涼/瀧内公美/二ノ宮隆太郎 ほか
あらすじ・解説
「百円の恋」の武正晴監督が、森山未來、北村匠海、勝地涼をキャストに迎えたボクシング映画の前編。プロボクサーの末永晃はかつて掴みかけたチャンピオンの夢を諦めきれず、現在も“咬ませ犬”としてリングに上がり、ボクシングにしがみつく日々を送っていた。一方、児童養護施設出身で秘密の過去を持つ大村龍太は、ボクシングの才能を認められ将来を期待されている。大物俳優の2世タレントで芸人としても鳴かず飛ばずの宮木瞬は、テレビ番組の企画でボクシングの試合に挑むことに。それぞれの生き様を抱える3人の男たちは、人生の再起をかけて拳を交えるが……。「百円の恋」の足立紳が原作・脚本を担当。3人の男たちを中心に描いた「劇場版」は前後編の2部構成で同日公開。また、3人と彼らを取り巻く人々の群像劇として全8話のシリーズで描く「配信版」もABEMAプレミアムで配信される。
映画.com より
鑑賞記録:2020年10月31日 TOHOシネマズ 六本木 スクリーン7
アンダードッグ=噛ませ犬
タイトルのアンダードッグには”負け犬”とか”噛ませ犬”って意味があります。
噛ませ犬ってのをボクシングの世界で当てはめると「落ちぶれたボクサーが新人ボクサーの相手をして、負けて自信をつけさせてあげる」みたいな感じ。森山未來が演じる末永晃がまさしくそうなっちゃってるんですよね。もともと日本トップクラスの強さだったにも関わらず。
ただ、北村匠海が演じている大村龍太や勝地涼の宮木瞬も、人生つまづいた系男子なので這い上がりたい男たちの熱いお話になってます。
前編・後編通して基本的には末永晃の物語になっています。前編では宮木瞬との試合を通して、人となりがじっくり語られていく感じ。もちろん、宮木瞬のこともちゃんと語られるので2人の負け犬の話。そして、後編では大村龍太との試合を通じて、末永晃が自分と向き合う話。大村龍太の過去も明らかになっていきます。
森山未來の作り込まれた身体
本作の見どころは「這い上がる負け犬」っていうストーリーラインももちろんなんですが、やっぱり迫力あるボクシングシーンは見逃せないと思います。
森山未來って運動神経がいいイメージ(多分、ウォーターボーイズ)があって、もともと無駄のない感じだと思うんです。今作ではボクサー役で、研ぎ澄まされた感じがありました。画面から伝わってくる脂肪のなさがすごい。
もちろん勝地涼や北村匠海も役作りしてきてます。北村匠海は本当に器用な役者さんで、天才ボクサー感、過去になんかあった人を体現しているし、勝地涼のちょっとだるんだるん感が残っているリアルさ、よきでした。
劇中でも森山未來が鶏肉とブロッコリーを塩かなんかで食べてるシーンあって、「筋トレYoutubeでよく見るやつだ」って思いながら観てました。
酒、タバコ、セックス、生々しい世界
ボクシング以外の部分は負け犬っぽい、陽の当たらない生活感が描かれています。酒飲んで、タバコ吸って、女とヤッて。生臭いというか男臭いというか、底辺感漂う世界なんですよね。でもボクシングは違う。リングに上がってる間は、ライトが当たり、勝ってても負けててもちゃんと輝ける。この対比が面白いです。
どうでもいいけど、北村匠海のベッドシーンって貴重なんじゃないかな?
『百円の恋』に比べると住んでる世界がちょっと遠すぎて(はじめからボクサーな人たちが這い上がる)、共感しにくい部分は多いんだけど、普通に面白い映画でした。
AbemaTVでの配信を楽しみに待とうと思います。
おわり