【ネタバレ考察】『ウィキッド 永遠の魔女』アリアナ&シンシアの圧倒的歌唱と善悪への問い[映画の感想]

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【ネタバレあり】人は真実よりも「心地よい嘘」を求めている?

映画『ウィキッド 永遠の約束』の根底にある「オズの魔法使い」の騙しの構造。それは、現代社会における広告やマーケティング、そしてSNSの「情報操作(印象操作)」と非常に似ています。

操作というと聞こえは悪いですが、オズはエメラルド・シティの人々を虚構で騙していました。本当は魔法なんて使えないのに、その嘘で国を統治していたわけです。そして、その嘘を暴き、正そうとしたエルファバは「悪」に仕立て上げられ、権力によって徹底的に追い込まれていきます。この構図は、普段見ている現代社会の景色と驚くほど重なります。

大衆は、残酷で複雑な真実など求めていません。わかりやすい「善と悪」、そして自分を安心させてくれる「心地よい物語」を求めているのです。だからこそ、マーケティングやプラットフォームのアルゴリズムは、絶え間なく「その人にとって都合のよい情報」を提供し続けます。政治の世界でも同じことが言えるでしょう。

世の中の広告やSNSのタイムラインは、ある特定の方向へ誘導するために最適化されています。「これを使えば幸せになれる(良い魔女)」「この考え方は社会の敵だ(悪い魔女)」。私たちが日々消費している情報の多くは、真実ではなく、意図的に「作られた何か」なのです。

SNSの炎上とエルファバの窮地

現代のSNSにおける炎上を思い浮かべるとわかりやすいです。叩かれている対象の背景や真実を、実は誰も気にしていません。「みんなが怒っているから」「わかりやすい社会の敵(悪い魔女)として認定されたから」という理由だけで、事実関係も知らないまま便乗し、正義の皮を被って嬉々として石を投げています。

エルファバも同様でした。オズ陛下がそう言っているからというだけで、真実が何かもわからないまま「西の悪い魔女」という強烈な印象を植え付けられました。大衆の扇動によって追い詰められ、絶対的な悪として消費されていく過程は、現代のSNSにおける炎上カルチャーそのものです。

「大衆が心地よい物語を求めているなら、それを提供して操作すればいい」。そこまで露骨に思っていないかもしれませんが、今の政治や巨大テック企業が行っていることの真理に近いのかもしれません。『ウィキッド』が私たちに突きつけているのは、「誰かが作った善悪のシステムに、無自覚に乗っかっていないか?」というシビアな問いなのかもしれないなあ、と。

自分の信念を持って発信し続けるか(エルファバのように)。それとも、大衆が求める虚像を演じ続ける覚悟を持つか(グリンダのように)。魔法のないこの現代を生き抜くために必要なのは、作られた善悪を見極める「自分の目」ですね。

ファンタジーの世界で、耳馴染みのよい楽曲を純粋に楽しむのと同時にこうした構造を考えることもできるのが映画の面白さでもあるなと改めて感じました。

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ウィキッド 永遠の約束

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